水上のパッサカリア
作者 海野 碧
価格 1,470 円
出版社名 光文社
出版年月 2007/03/20
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    第10回 日本ミステリー文学大賞新人賞   受賞
腕の良い自動車整備工・大道寺勉は3年半前からQ県にある湖畔の借家で、一回り近く年下の片岡菜津と穏やかに暮らしていた。半年前、暴走族の無理な追い越しによる交通事故に巻き込まれ、菜津が死んだ--。菜津が育てた飼い犬と静かな暮らしを続けていた11月のある日、勉が帰宅すると昔の仲間が家の前で待っていた。菜津は謀殺されたのだという、衝撃的な事実を携えて…。

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■読者の評価     おすすめ度平均

選考委員は本当に読んでいるのか?       おすすめ度
出だしで女性が死んだことがわかり、その時点で時系列が過去へとワープする。
そこからが冗長な話のオンパレード。ときどき、主人公の過去を窺わせる記述が出て
期待させるが、まだまだどうでもいい話が続く。
やっと始末屋稼業が明らかになるが、それがまたセコイ話ばかり。
犬の鳴き声くらいで、大の男を何人も雇うか?
文章もくどい。大沢や北方謙三が選考委員だったら、違った結果になっていたと思う。
この作者はハードボイルド作品を目指していたと思う。しかし、やはり女性的な内面が
どうしても出てしまったのではないか?犬にもこだわりすぎ。
無理にハードボイルドを書かず、恋愛物語りを書くのがいいと思う。


前半はよかったが後半はがっかり       おすすめ度
ストーリーとしてはそれなりにおもしろかったが、いちいち言い方が回りくどく、読むのにとても疲れた。特に後半の先制攻撃をしかける章においては、内容はそれほど深くないのに無意味に文章が長かったから、読んでいて不快だった。最後の終わり方もちょっと強引だったし、結局獣医が殺害された事件の動機との関連もイマイチ納得できなかった。それでも、前半部分の菜津との同棲生活の様子は丁寧に描かれていて、奈津の純真さがとてもよく伝わってきて読み応えがあった。


読んでいる間はモッタリしつつも       おすすめ度
読む前は、
この厚さの単行本なら2時間くらいで読み終えるかなーと思っていました。

主人公についての情報が最初の方ではあまり出されておらず、
読み進むにれて小出しに出てくる為、先へ先へと読み進めたくなりました。
しかし、内容が重い訳ではないのにモ〜ッタリしていて
途中で何度か休憩を入れたくなり、
結局読み終えるのに半日かかりました。

前半は、主人公のあまりの冷ややかな視点に
不吉な予感を抱えながら読み進めましたが、
最後まで読み終えて……菜津とこの主人公のふたりをそうっと抱きしめたくなりました。

読後感は穏やかで爽やか。
読んで良かったなーと思える、印象に残る一冊でした。



少し文章にクセあり。盛り上がりにもやや欠ける       おすすめ度
謎めいたバックグラウンド、孤独、様々な特殊能力という設定からして、ハードボイルドそのもの。彼の秘密がストーリーを追うに従って明らかになる展開や、「実は彼女を心から愛していた…」という部分もしかり。亡くなった恋人との日々を語りつつ、新たな事件に巻き込まれる、という展開はよいけれど、いまひとつ盛り上がりにかけるまま終わってしまう気がしないでもない。また、文章に特徴があり、よく言えば独特の文体、悪く言えば読みづらい。受け入れにくい人もいるのではないか。


期待せずに読んだら以外と良かったです.       おすすめ度
第10回日本ミステリー文学大賞 新人賞受賞作 の 作品

多分日本のミステリー文学のレベルが高いのか,相対的にこの本の
評価が低いものの,あまりミステリーを読みなれていない私には
かなり楽しめました.

 帯に書かれている「精緻に書き上げた男と女の物語」というのは
微妙な立場にある冴子にはあてはまらないし,「傑作ハードボイルド」なのは
主人公の生活慣習だけで,全体には粗が目立つ気がします.

 しかし,主人公の菜津に対する感情と,謎の死因,そして巻き込まれていく
問題など,展開の面白さにとても惹かれました.

 所々に息切れして雑さが感じられ,多分に一発屋で終わりそうな著者の
デビュー作ですが,酷評するほど悪い作品では無いと考えます.