ミサイルマン―平山夢明短編集
作者 平山 夢明
価格 1,680 円
出版社名 光文社
出版年月 2007/06/20
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■読者の評価     おすすめ度平均

SF的拷問物語       おすすめ度
平山氏の売りであるグロい表現は相変わらず読み手を気持ち悪く、不快にさせてくれます。『吸血鬼』『狼男』『幽霊』などのSF的な要素も幼稚くささはありません。拷問シーンはこっちが痛いくらいでした。
ただ腑に落ちない事もいくつかありました。『ミサイルマン』の のろしの意味、『コード』の夢の意味、『けだもの』でテオは串刺しにされたのにも関わらず潰れたお父さんの心臓を食べることができたのか‥等々。
ストーリーをよく読むと、あれ?と思うようなことが多々あります。
意味のありそうな行動が結局は意味のないものだったり‥最終的にそこは書く意味あったのか?と思ってしまいました。
煮え切らない感じは否めませんがグロさは相変わらずなので★2です。


期待していたほどでは・・       おすすめ度
平山氏の著書を読んだのはこれが初めてですが、「このミス」で一位を取った人ということでそこそこ期待していたのですが短編集のせいかどうにもいまいちという感想です。
単純にグロさを求めるなら綾辻氏の「殺人鬼」シリーズに比べれば比較にならないですし、ストーリーも特に印象に残る物は有りませんでした。
読む人を選ぶのかも知れません。
恐い話を中心に短編ばかり書いている著者のようなので、今後書くであろう長編小説に期待したいと思います。


新感覚       おすすめ度
何故今までこの作家を知らなかったのだろう。
買って良かった、とうなずくほどの斬新さ。グロさ、エロさ、内容。どれをとっても新発見。
今後も発売されているこの作家の本を買いたくなる。


異形の者達の異形な価値観       おすすめ度
 「テロルの創世」で描かれる、華麗で残酷なドラマの幕開けの予感。小さな穴から万華鏡をのぞき見たような興奮に襲われた。オリジナルのためのクローン人社会というSFとしてのタネは、確かに月並みだ。だが、どんな社会にもあるひずみと、隙間に巣くう欲望を、生々しく描く筆力が素晴らしい。
 以下、吸血人や狼男、連続殺人鬼のいる世界を、それぞれ有無を言わせぬ説得力で存在させた。これら異形の者達は、言い訳無しに存在している。とにかくその世界にいるのだ、と納得せざるを得ないように描かれている。姑息な理由などない。
 暴力もまたそうだ。幼いわが子の顔に煮えたぎった油をそそぐ母は、なぜそうするのかが説明されない。顔を焼けただらせた子にとって、理由などどうでもいいからだ。ただ、暴力があり、その結果がある。
 私達にとって「異常」に思えるそれらの様相は、当事者にとっては「現実」であり当たり前でもあるのだ。だから私達は、価値観を大きく揺さぶられるか、この物語を拒否するかに分かれるのだろう。


前作よりは・・・       おすすめ度
主人公の俺(ツヨシ)のチャリをぺギろう(盗もう)として殴られたシゲは,1週間後に本当にチャリを盗まれた俺は腹いせに他人のチャリの鍵を壊そうとしているところに現れ,成り行きで行動を共にすることになった・・・表題作『ミサイルマン』

表題作も含め7編からなる短編集。前作から読み始めたのであるが,作者の作る独特の世界観には今回も圧倒される。短編としてはもったいないような設定:世界観がいくつもつまっている。ある作者が長編よりも短編の方が手を抜くことが出来ないと後書きで書いてあったが,そのとおり手抜きのない濃度の濃い短編のつまった作品集である。個人的には『テロルの創世』と『枷』が良かった。・・・ただし,前作の『独白するユニバーサル横メルカトル』よりは,少ないと感じたとはいえ,えぐい表現が多いのでそれがダメな人にはお勧めは出来ないと思う。