むかしのはなし
作者 三浦 しをん
価格 1,575 円
出版社名 幻冬舎
出版年月 2005/02/25
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■読者の評価     おすすめ度平均

ただ、うまいだけ       おすすめ度
三浦さんって、うまいなあ。昔話を変容させてSFにしてしまうとはなかなか考えたものだ。プロットが優れており、小説を描く能力には高いものがある。ただし、技量があっても面白くなるとは限らないのが小説の難しいところで、正直、私にはいまいちだった。特に気になったのは、

主人公の一人称語りがわざとらしい。
ラストが投げやり。
技巧を凝らす必然性が感じられない。

といったところだろうか。物語の必然性が感じられないまま、文章のうまさだけが頭に入ってくるという、なんとも不思議な印象をもった。


「死ぬことは生まれたときに決まっていたこと」       おすすめ度
昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。

それを基にした、現代のお話。

短編集が、お互いにリンクしてます。

「昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。

それを基にした、現代のお話。

短編集が、お互いにリンクしてます。

「死ぬことは生まれたときに決まっていたこと」

うん、そうなんだよね。

3ヵ月後に隕石がぶつかるかもしれない。

で、選ばれた人は、スペースシャトル?のようなものに乗れる。

だけど、それも安全かどうかわからない。

隕石ももしかしたらぶつからないかもしれない。

まあ、そんな中でのいろいろな人物が、一人称で自分を語るのですが・・・

もう一度読み返してみたら、また新たな発見のありそうな本です。


現代の昔話       おすすめ度
初めて三浦さんの一人称を読みました。初期作品三人称にあるような、
長い風景描写やわかりにくい比喩が減って、すらりと頭の中にはいってきます。しかしその為に、
最終話を除くほかの短編が、以前どこかで読んだ無気力系のステレオタイプの話に思えて残念でした。
それぞれお話は微妙に関係していますが、それもついで、のように思えて、
話が螺旋に絡まり合っている印象はありませんでした。

最終話は引き込まれて読んだのですが、最後が些か軽い感じがしました。
ひかれた部分が「人間」を感じさせる部分だったのに、オチへもっていく主人公の心情が
浅いのです。深くない絶望も、おとぎ話故でしょうか?

これはおとぎ話だ!と何度も自分に言い聞かせて読みました。そうしないと、やっぱりどうも
地球滅亡にリアリティを求めて、頭の中が混乱しそうでした。


現代版日本昔話       おすすめ度
舞台は現代。
後三ヶ月で隕石がぶつかり、地球は滅亡するかもしれない。
その状況で、人はどうするのか。

日本昔話を元に、6篇の物語として綴られています。

助かるのはロケットのチケットを手に入れた人だけです。
そしてそのチケットは、選ばれた人にしか届きません。
ある人は淡々といつも通りの日常を送ろうとし、ある人はチケットを盗もうとする。

短篇はそれぞれに少しずつ同じ登場人物が出てきて、同じ時間を進んでいることがわかります。
全体的に、なんだかもやもやした空気感があり、それがまた『後三ヶ月で地球滅亡って言われてもなぁ…』っていう、実感があるようなないような登場人物の胸中を表しています。

私だったら、たぶん、未読本を黙々と読みふけりますw


分からない。       おすすめ度
どの話も面白いと思うのですが、私は最後のお話が1番好きです。
あの人が何を考えて、何を見て、何を聞いて。それを確実に知る事が出来るのは、その人自身なんだという当たり前の事に気付いた様な。
分からない事があるから、その世界にリアルを感じるんだと思います。

それからあとがきにあった、
『言葉を媒体にだれかとつながっていたい』
という言葉(かなり省略してます/汗)が好きです。このお話たちにも、所々にそんな気持ちが散りばめられてるなぁ、と感じました。

とにかく、読んでみれば分かると思います。