名もなき毒
作者 宮部 みゆき
価格 1,890 円
出版社名 幻冬舎
出版年月 2006/08
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    第41回 吉川英治文学賞   受賞
    本屋大賞 2007年   受賞
どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。

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■読者の評価     おすすめ度平均

主人公家族の魅力で。。       おすすめ度
今までのパワー溢れる宮部みゆき作品とは趣を異にしていますが
私はとても好きになりました。

それは主人公杉村と妻菜穂子、娘桃子から感じる幸せ感が
なんともいえない宝物のように感じるからでしょうか・・

ささやかな日々の暮らしと心のやりとりをとても大事に幸せを
大事に大事に守って暮らしている彼らがとても好きになりました。

とはいっても、次回作があれば、そろそろ杉村氏は「私立探偵」として
身を立てざるを得なさそうな雰囲気ですね(笑)
今回出てきたライターの秋山氏のキャラもいいです。
次回作(があれば)で活躍してくれそうで期待です。


誰もが持っている「毒」       おすすめ度
杉村さんのキャラクターのせいもあるのか、
なんだか全体的にのんびりした印象で、キレがない。
ミステリーを読むならもっと緊迫感がある方が好みなので、そのへんには不満が残ります。

タイトルの「名もなき毒」。
この本当の意味は飲み物に混入された毒ではなく、誰もが心に持っている、人間の心の中にある「毒」・・・。
人を羨んだり、自分の置かれた環境を憎むネガティブな心。
私たちの生きる社会にはそうした毒が蔓延している。
私にだってあるのかもしれない毒。
おそらく、世の中からなくならないであろうこの毒とどう共存していくか。
そこが著者の言いたい一番のテーマなのでは?


珍しく好きになれない作品です。       おすすめ度
これは、あまり面白くなかった。
宮部みゆきの作品に、「面白くなかった」と言うのは
初めてかもしれない。
宮部さんの長編は、最初のほうでじっくり下地を作っておいてから
話が先へ進むということが多いので、多少地味でも
腰をすえて付き合っていこうという気になるんだが、
これはいったいいつになったら面白くなるんだろう、
と思っているうちに半分を過ぎて、4分の3を過ぎて。
ようやく最後に少し展開が見えたが、
なんだかとんだ茶番劇みたいに思えてしまった。
いつも宮部さんの作品は、一行一行じっくり読むが、
今回ばかりは、終盤になって、かえっていくらか、
読み飛ばしてしまった。

「誰か・・」に出てきたときの杉村さんは好きで、
だから、ここでまた会えるのを楽しみにしていたが。
うまく動いていないような気がする。
それと、あと・・・
はっきり言ってしまうと、
私は杉村さんの奥さんが、好きじゃないです。




「誰か」を先に読んだほうが。       おすすめ度
東京新聞等に2005年に連載されたミステリー。
先行する「誰か」の続編的位置づけ。
サラリーマン杉村氏が再び事件に関係、探偵役を担う。
日常の平和な背景の中、殺人事件が起こり、関係者の人物・人間関係が丁寧に書き進められて行く。とても読みやすく、後半の展開もスピード感を持つ。
杉村氏を攻撃する女性の、境界型人格障害から人格障害への移行が不自然では…。
ともかく、「誰か」を先に読まれた方が、本作の良さをより味わえるものと思います。


素人探偵の謎解き       おすすめ度
青酸カリを使用した連続殺人。一方社内報を編集する巨大コンチェルンの総帥の娘婿。狂気に満ちた部下を解雇したことによって事件に巻き込まれて行く。実際に殺人を犯す人間と殺人を犯さないまでも周りの人間を次々に不幸に陥れていく人間。絡み合った複雑な人間関係をすっきりした軽いタッチで描かれたミステリー。暇つぶしの読み物としてはちょうどいいかも。