0番目の男 (祥伝社文庫)
作者 山之口 洋
価格 400 円
出版社名 祥伝社
出版年月 2000/10
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■読者の評価     おすすめ度平均

洞爺湖サミットの連中で験したい♪       おすすめ度
 環境問題というのはとても先の長い話を論じているので、今あれこれ決めている人間は、結果が出るころには誰もいない。
 本作は、ある湖の浄化プロジェクトに携わった主人公が、結果を見るためにコールドスリープを許可され、その代償に自分のクローンをつくることを認めるという物語。冬眠から覚めて教えられていた場所に行くと、いろいろな道をたどってきた自分が何人も集まっているというわけだ。作者独特の抑制がきき過ぎた感のある文体で書かれると、ちょっとした怖さがある。「オルガニスト」には及ばないので、星は四つ。
 こういう技術が現在可能なのであれば、ぜひ政治家で験したい。自分たちがサミットで決定したことの結果を百年後、二百年後に自分の目で見るんだよと言われれば、もうちょっと彼らにもやる気が出るかもしれない。


スパイスのきいた小梅のような作品       おすすめ度
『オルガニスト』を読んだときに衝撃を覚えましたので、本作品を心から楽しみに読みました。オリガニストは深く読ませる長編でしたが、本作品は短いながらも登場人物のスパイスがきき、読んだ後に何とも言えない甘酸っぱい気持ちが残りました。人間とは何か、愛とは何かという、読む前には思ってもいなかったことを改めて考えさせられました。これからも科学と人間の本質をとらえた作品を期待しています。