作者 麻耶 雄嵩
価格 400 円
出版社名 祥伝社
出版年月 2002/06
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■読者の評価     おすすめ度平均

連続殺人に託された「メッセージ」       おすすめ度
▼あらすじ

  真幌市では、この春から十一件も連続して殺人事件が発生していた。
  ミステリー作家・闇雲A子によって「真幌キラー」と名づけられたこの連続
  殺人犯は毎回、必ず死体の左耳を焼き、その傍に何らかの小物を遺していた。

  奇怪な犯行を繰り返す殺人鬼の正体とは?



▼感想

  《見立て》殺人の《ミッシングリンク》もの。

  犯人が遺留品を残すのは、捜査を撹乱させるためでなく、むしろ、
  一刻もはやく「正答」に辿り着いてもらいたいため、というのがミソですね。

 犯人特定の最大のヒントが、序盤の段階で抜け抜けと示されているところや、
  〈探偵役〉の予想外な人選など、結末のサプライズに向け、入念に構成されています。


  一見、バカミス的な設定なのですが、犯人の抱く動機はきわめて
  切実かつ叙情的であるというギャップも、独特の余韻を残します。
  


馬鹿馬鹿しくて良い       おすすめ度
 『幻想都市の四季』の第1篇。ほかの3冊は、倉知淳『まほろ市の殺人 春 無節操な死人』、我孫子武丸『夏 夏に散る花』、有栖川有栖『冬 蜃気楼に手を振る』。ただし、舞台を同じにするという縛りをかけただけの競作なので、春から読む必要はない。一冊だけでも楽しめる。しかも、各冊とも中編一本で一冊にしたもので、かなり簡単に読めてしまう。本書もわずか128ページ。
 本書は、全4作のなかでも馬鹿馬鹿しいもの。あっという驚きが待っているが、あまりの下らなさに本を投げ捨てそうになる。
 しかし、中篇ひとつで一冊の本にするというのは成功しているのだろうか。値段は安いものの、なんだか損したような気になる。


ゆらめく中編ミステリ       おすすめ度
 なぞめく文体に翻弄され、いつしか迷い込む犯罪の迷宮。被害者の傍らに置かれたモノの意味することは?全てがわかったときの崩壊感はさすが!!
 動機が現実的でない…など気になるところがあるかもしれないが、癖のある濃いキャラ、怒涛のストーリーテリングで有無をも言わせぬ迫力、ラストまで突っ走るのであった。


満足。       おすすめ度
薄っぺらいわりに流暢な脚捌きで最後まで読ませてくれた本。ページ数の兼ね合いがあるのか、やたら体言止めが多い。でも気にならない。そのまま普通に読んでしまうこともできるが、この作者の流儀を知っている者には得に、また新しい魅力を感じる事ができるアイテムだと思う。軽く(値段的にも重量的にも)て入り易いのも含め、内容的にももちろん、コストパフォーマンスが高い作品だと思います。個人的にこの微妙な『終わってる感覚』と静かさがとても好みです。


ちょっとがっかり       おすすめ度
ページ数の問題なのか多少消化不良気味。最後の謎解きの方法にかなり強引な面があり、落ち着きが悪い。作者ならではと期待すると、ちょっとがっかり。どんでん返しも読者には絶対見ぬけず、期待していた分、不発に終わる。