作者 菅 浩江
価格 720 円
出版社名 祥伝社
出版年月 2005/08
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■読者の評価     おすすめ度平均

読み手がどう解釈するか考えるのは書き手の義務       おすすめ度
怪奇現象(と思われること)を起こした犯人とその意図を、主に犯人の残した手紙の解釈から探るミステリ。この手紙のために登場人物らは混乱に陥るのだが、書いた当人に皆を混乱させる意図がないなら、あそこまで誤解されそうな書き方はしないでしょう、普通は。この部分が強引だったことと、スケールの小ささが気になりました。京都を舞台にしたアイデアは面白かったのですが。



憧憬       おすすめ度
失われていくものへの憧憬。
古典を引用した馴染みにくい道具立て、芝居がかった登場人物に辟易したものの、読むに従い、徐々に作品に引き込まれてゆく。
以前の鷺娘では、日々失われる京都への愛着と反感が強く出ていたが、今作では失われていく町の光景そのものへの回顧と憧憬を強く感じた。
私の育った、市電の走る町。黒い甍のどこまでも続く町。鳩で溢れかえっていた旧京都駅。
時折、途方もなく懐かしくなり、読み返しています。


京都を知り尽くしたSF作家による本格長編推理小説       おすすめ度
京都を知り尽くした著者による京都を舞台にした作品で、日本の伝統文化や伝統芸能を題材に書かれており、不安感を煽る構成はホラーのようにゾクゾクさせられます。しかし得体の知れない怪奇現象も、京都の特殊な歴史や地理によるものであり、それが京都人によって論理的に暴かれていくところもまた見事としか言いようがありません。不安に陥れられ、その直後に爽快な気分にさせられるという繰り返しで、最後まで読ませる勢いがあります。

本書に登場する主人公や、主人公が頼る名探偵役、脇役たちもみな個性的で面白い。推理小説ファンだけでなく、SF ファンもハマるのではないかと思います。


京の都に潜む鬼       おすすめ度
京都出身、在住の作家菅浩江氏の描く”あやかしの都”。
表紙を飾るイラストを担当されている山田章博氏も
京都在住で雰囲気もバッチリです。

京都もので人気のある同人作家が自殺します。
それもプロデビューも間近に控えているにもかかわらず。
彼女の死に深くかかわる「ミヤコ」とは?。
真相を追う女子大生を京の怪異が襲う!。

数々ある京都を舞台とした推理小説のなかでも面白さ、
薀蓄の深さともに群をぬいています。京都通になりたい人には
お勧め。

私自身が京都生まれの京都育ちという事もあり、自分では
当り前と思っていたことが他の地方では違うんだ、とか新たな発見
も多々ありました。
観光案内にはないディープな京都が描かれています。