LOVE
作者 古川 日出男
価格 1,680 円
出版社名 祥伝社
出版年月 2005/09
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    第19回 三島由紀夫賞   受賞
あたしたちは全員同じだ、でも、あたしたちは全員、違うのかもしれない。現代なんて三月後には消費されて、東京の記憶から消されるんだろうな-。都市とそこで生きるものたちの喪失と再生を鮮やかにきりとった青春群像小説。

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■読者の評価     おすすめ度平均

三島由紀夫賞の謎       おすすめ度
わけが分からずかつ退屈な小説である。若者が何人か出てきて、わーってやって、あ、そう、というような小説で、なんでこれが三島賞をとるのか理解不能。古川は娯楽小説作家なのだから、どうしても賞をやりたいなら山本賞をやれば良かったのである。さもなくば、散文詩と見なして詩の舞台で評価すればよいのである。
 三島賞というのは、かつては車谷長吉や佐伯一麦を発掘していたが、このところおかしな受賞作が続いている気がする(小野とか鹿島田とか小林とか)。


「ベルカ」に対して       おすすめ度
 ベルカで、二十世紀を犬たちの視点から書き直してしまった古川日出男。今回は、東京の街を猫たちの視点で書き直す。
 あいかわらずよくわからないジャンル。三島由紀夫賞は、基本的に純文学の賞のはずなんだけど、それでも取れちゃうのはやっぱり実力があるから。だから三島賞、好きさ。きちんとあげなきゃいけない作家にあげているからな。
 文体が魅力的。心内語をこうまでうまく使える人がいるでしょうか。あと、二人称がすごすぎる。二人称小説というのは、たいてい、ゲームブックのように非常にしょぼいことになってしまうけれど、これはきちっとしていて、非常にかっこいい。


テンポが良くて、おもしろいです       おすすめ度
とにかくテンポが良くて、おもしろいです。

村上春樹の『海辺のカフカ』と吉田修一の『パレード』と伊坂幸太郎の『ラッシュライフ』を足して三で割ったような感じとでもいえばいいのでしょうか。

『海辺のカフカ』のように猫や歴史の話が出てくるけど、登場人物や状況設定がもっと現実的で、『パレード』と同じく東京という街のもつ怖さが出ているけど、その出し方はチョロっという程度で、『ラッシュライフ』のようにグランドホテル形式だけど、もう少し軽快でノリがいいという感じなのです。

東京に住んでいる方々は登場人物の何人かに「わかるなぁ」と思いながら、また東京に住んでいない方々も時々「う〜ん」とものを考えつつリズムに乗せられて、結構楽しく読めるのではないかと思います。軽快さに乗りすぎて、あわてて読むと「ん?」となり、なんとなくもう一度読み直してみようかななどとも思わされました。





古川日出男中級者におすすめ       おすすめ度
古川日出男は常に「今まで読んだことのない小説」をわたしたちに突きつけてきます。
今回の『LOVE』もその期待を裏切りません。
しかし「プロット(≒ストーリー)重視」の方は,この本を手に取るより先に『アラビアの夜の種族』や『ベルカ吠えないのか』を先に読むことをお勧めします。
これらを先に読み,古川日出男世界にある程度慣れてから,『LOVE』に進んでほしいです。


「何よりカモが命じた、ガー、と。」       おすすめ度
古川日出男さん特有の短く切ったスピード感のある文章に捕らわれると、胸倉を掴まれたみたいに物語にひきこまれます。二人称で語られる物語も最高です。そして登場人物の名前がいつもながら冴えてるわー。
そんなで結局買ったその日に読みきってしまいました。
猫がかなり重要な役目を果たすので、「ベルカ、吠えないのか?」と対になってるのかな?となんとなく思いました。「沈黙」に対しての「アビニシアン」のような。
雰囲気としては「サウンドトラック」や「gift」なんかに似てるかな。