しらみつぶしの時計
作者 法月 綸太郎
価格 1,785 円
出版社名 祥伝社
出版年月 2008/07/23
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■読者の評価     おすすめ度平均

高打率       おすすめ度
収録作は、進行中の犯罪を描いたもの(倒叙もの?)の「使用中」「ダブルプレー」「素人芸」、パスティッシュの「盗まれた手紙」「四色問題」「幽霊をやとった女」、あえて分類するなら"奇妙な味"というしかない「イン・メモリアム」「猫の巡礼」、パズル小説(?)の「しらみつぶしの時計」、それにボーナストラックの「トゥ・オブ・アス」(『二の悲劇』の短編版)の全10篇。
法月綸太郎ものでは愚直なまでに本格ミステリの定型を意識している感じですが、非シリーズものを集めたこの短編集はバラエティに富んだ内容になっています。非シリーズものの短編集というと以前に『パズル崩壊』が出ていますが、『パズル崩壊』で顕著だった尖鋭的な面は本短編集では見られません。ああいう尖がった部分は、評論のほうで発散できているのかもしれませんね。
著者があとがきで「会心の作」といっている「使用中」が集中のベストだと思いますが、他のほとんどの作品も水準以上といっていいでしょう。


手堅いぞ!いいぞ法月!!       おすすめ度
処女作から読み続けてきた。「密閉教室」。反吐が出るほど嫌いだった。
しかし、どうだ。
情緒不安定な(それが魅力の)「雪密室」や「誰彼」をはじめ、「一の悲劇」以降の快進撃。そして、本書。
揺るがない、手堅い。
そして何よりも面白い。
これまで読み手を選ぶかのような話が多かった(と思う)が、本書は読者を選ばない。誰が読んでも、充実の時間を過ごすことができるだろう。
もはや、大家の風格。
すごいぞ!法月!!(年上だけど)