孤宿の人 上
作者 宮部 みゆき
価格 1,890 円
出版社名 新人物往来社
出版年月 2005/06/21
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■読者の評価     おすすめ度平均

一番良かった       おすすめ度
宮部氏の作品はほとんど読んでいるが、中でもこれは一番良かったかもしれない。
本を読んで感動はしても泣くということはほとんどないのだが、ラストでは涙があふれて自分でも驚いた。



読み終えて静かな感動が残る       おすすめ度
無垢な少女「ほう」を核に、身分の違う人々がそれぞれの人生を生きるさまを丁寧な描写で描きあげたもの。
哀しい生い立ちの「ほう」がひねくれもせず、素直に
ひたすらに生きる姿、武士として筋の通った生き方を通しながら「ほう」に出会うことで安らぎを感じたであろう加賀様の最期。読み進むうちに涙があふれた。読み終えて静かな感動が残る。


いろいろな面で無理が目立ち物語に没入できませんでした。       おすすめ度
●以下下まで含めた感想です。●とにかく重いです。海に面した開けた土地を舞台にしているのにものすごい閉塞観が漂っています。江戸が舞台のほかの作品ではまった人はあの闊達さを期待するとちょっとがっかりします。●登場人物の感情の動きや思考過程にいまいち共感できませんでした。彼女の作品で登場人物がハリウッド映画よろしく敢然と運命に立ち向かうなんてことは期待しません。でも他の作品の主人公なり脇役なりを鑑みると状況に流されつつも犠牲を最小限に抑えようとしたり自分が潰されない範囲で僅かな理想の痕跡を残そうとささやかな抵抗を試みたりします。そういう巧妙さや柔軟性によって体現されるリアルで逞しい崇高さが好きだったんですがこれの登場人物からはまったくそういう心意気や慧眼が感じ取れませんでした。ご都合主義的なくらい後手後手に回り過ぎだしあまりにも環境や状況それによってもたらされる損害を甘受し過ぎです。ありのままを呑み込み過ぎる。どうも今までの作品のような趣がなかったです。田舎者の長いものには巻かれろという習性が偏見のように羅列されています。巻かれるにしてもいい加減うまい巻かれ方があるだろうってちょっと歯痒かったです。●最期のカタストロフの発生が私にはどうも力技っぽくて無理がありました。今までの伏線がいかにもそれのために用意されているのがあからさまなんで。●真実や後日譚を明かさずおぼろげにしているエピソードが多いです。詳細が伝わっても小さな影響しかない人物の末路なんで隠す意味が分かりません。その割には核心的な大物の謎を会話で唐突にばらしてしまったり。●無駄に長い説明台詞が多いような気がしました。橋田さんのドラマみたいな箇所がいくつもありました。●いろいろ難儀でしたがまったく立ち止まらずに読めました。やはりうまさは抜群です。ただし今回は芸術家的なうまさではなく職人的なうまさだけでどうにかしのいだ感じでしょうか。


読みやすい!       おすすめ度
とにかく読みやすくて良かったです。最後は感動で涙してしまいました。(上)は(下)への伏線的な感じがします。(下)に入ると本当に一気に話が進んで行きました。僕は時代物はあまり読まないのですが、これを機にさらに時代物が読みたくなりました!おすすめです!


登場人物のキャラクターが多彩       おすすめ度
な事が売り物の宮部作品。 この作品もご多分に漏れず、の一作。
其々の人物が、愛情込めて描かれているのも、いつもの通りで安心して読める。
私は宮部作品はどちらかと言うと現代ミステリー物より時代小説の方が好きなのだが、舞台を江戸市中ではなく地方に移した事で、宮部さんお得意の江戸の町の雰囲気を巧みに描く文体が持つ彼女の面白さが、少々失速した感はどうしても否めない。