「洋酒天国」とその時代
作者 小玉 武
価格 2,520 円
出版社名 筑摩書房
出版年月 2007/05
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    第24回 織田作之助賞   受賞
開高健、山口瞳など、異才を放った社員たちが創った、サントリーのPR誌「洋酒天国」を軸に、高度経済成長に突入する直前の熱気に満ち溢れた時代の姿を描いた、極めて興味深い昭和史の1ページ。

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■読者の評価     おすすめ度平均

酒に酔い、作家に酔い、時代に酔う       おすすめ度
サントリーのPR雑誌編集者・寄稿者を軸に、時代背景と編集四方山話が語られる。結果的として小粋な昭和文壇史の誕生だ。著者は山口瞳に力点を置いているが、やはり経営者の佐治敬三との関係から言っても、開高健にもっと紙数を割いて欲しかった。豊饒な言葉の大地から紡ぎ出される珠玉の数々。後に「食」や「釣り」や「旅」へと誘ってくれた彼の根っ子は、「洋酒天国」から生まれたに違いない。品格のある著者の文章からは、時代の猥雑さや混沌は伺えないが、飲み心地の良いお酒にも似た味わいのある一冊。


「遊びを遊ぶな、真剣に遊べ」       おすすめ度
 本書は、昭和31年から39年にかけて現サントリーから出版されていたPR誌の、回顧録のようなものである。
 小生まだ2歳〜小学校4年生であったときのことだから、当たり前だが見たことすらない。
 しかし、その後、この「洋酒天国」をなんとしても読みたかった。
 第一に酒を飲める年代に達する前後に、山口瞳の愛読者となり、その中に、この雑誌のことが随所に出てきたこと、その後の知識でこの雑誌は、山口瞳、開高健、柳原良平などの小生の愛読書の著者が関与していたことを知ったことから、彼らが作家として独立して活躍する前、あるいはその最中の活動を知る機会になると思っていた。
 今回彼らと一緒に仕事をした小玉氏の回顧録で、この幻の雑誌の周辺が分かってきた。

 この雑誌の編集部の「非まじめの精神でやれ」というのが、今の世相との対象を示している。レビューのタイトルに引用させていただいた言葉は、山口さんの本で読んで気に入っていた。「遊ぶなら徹底的に遊べ」・・・このほか、開高健氏の「森羅万象に多情多恨たれ」など、彼のその後の作家活動の根本が現れていて、実に楽しい。
 願わくば、おそらく今となっては半分も理解できないかもしれないがこの幻の雑誌の復刻版を発売してもらえないだろうか?