さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)
作者 米澤 穂信
価格 1,575 円
出版社名 東京創元社
出版年月 2004/02
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■読者の評価     おすすめ度平均

胸が痛くなる・・・       おすすめ度
守屋、大刀洗、白河、文原、そしてマーヤ。最初読み始めたときは、
彼らの他愛もない会話が退屈に思えてしょうがなかった。だが、読み
進めていくうちに、会話の中に隠されているマーヤの思いにしだいに
気づかされていった。どこに帰るかだけは決して言おうとせずに帰国
したマーヤ。そこから守屋たちの謎解きが始まるが、ユーゴスラヴィアは
ひとつの国でないことを思い知らされる。退屈だと思えた会話の中に
ちりばめられたマーヤにつながる手がかり・・・。それを知ったとき、物語の
面白さが見えてきた。マーヤはどこに帰ったのか?そしてマーヤのその後は?
ラストは胸が痛くなった。戦争がいかに悲惨なものか!そして何気ない日常
生活がどんなに貴重なものか!この作品に込められているものは、あまりにも
重い。


たった一つの世界を生きる       おすすめ度
〈セカイ系〉という言葉があります。

個人が社会や共同体といった中景を飛び越え、直接、
「セカイ」の運命と向き合うという物語群のことです。

そして、多くの場合、華奢な外見とは不釣合いな
戦闘力を有する「戦闘美少女」がヒロインとなります。


いわば、ある種のオタク的想像力や欲望の産物なわけですが、
本作において作者は、その枠組を取り入れた上で、
真逆の地平を目指しています。


日本人には、あまり馴染みのないユーゴスラヴィアから来た
好奇心旺盛な美少女・マーヤは、まさに題名の通り、異世界の
「妖精」といった感があり、その無邪気な振舞いからも、
いかにも「ラノベの住人」のような存在です。


物語の前半は、異邦人である彼女の瞳を通すことで、我々の
何気ない「日常」が再発見され、新たな意味づけがなされる、
という著者お得意の「日常の謎」的展開なのですが……。


後半、物語は一変します。


高校生が、国の違いを乗り越えることは
容易なことではないし、過ぎてしまった
時間を取り戻すことは不可能です。

無力な主人公の行動は、どこまでいっても
自己満足にすぎないのかもしれません。

しかし、たとえそうであったとしても、たしかに
マーヤとともに過ごした時間が存在し、同じ一つの
世界に生きる存在であることも事実です。


セカイを変えるのではなく、
変わらない世界といかに
理性的に向き合うか―


本作は、それを真摯に追求した作品です。







高校生の男子       おすすめ度
男女差なのでしょうか。高校生の男子の鈍感さ・独りよがりさが共感できないけれど、逆にそれがとてもリアルでした。
 ミステリとして、本当に謎が解けているのか納得できない点が多っかたけれど、ユーゴスラビアはソビエト圏だと思い込んでいたくらい無知だったのでとても勉強になりました。


実際の出来事と結びつけた作品       おすすめ度
舞台は1991年。
ユーゴスラビアから来た少女と日本の高校生達の交流を描きます。
1991年といえばユーゴスラビア紛争の始まったころ。
少女はこの時期にユーゴへ帰国しますが、
残された高校生達にはユーゴの6つの共和国のうち、
彼女がどこへ帰ったのがわかりません。
そこで、彼女の発言をひとつずつ思い出し
謎解きをはじめるという物語です・・・。

謎解きの部分はどうもピンと来なく、
ミステリーフロンティアのシリーズにしてはミステリー色が弱い。
彼女が高校生達に投げかけてくる些細な謎も
あまり興味深いものではない。
だからそれが解けたときの爽快感も薄んですよねー。
わからないことも多すぎて、
話にまとまりがないような気がしました。

どちらかというと青春小説としての評価が高いようですが、
その視点でも私にはしっくり来なかった。
実際に起きた事件が背景になっているわけですが、
あの事件とうまく結びつかない。
最後には胸を打たれましたが、
私がもっとあの頃のユーゴを知っていれば、
より楽しめたのかもしれません・・・。


青春小説の傑作である(;'Д`)ハァハァ       おすすめ度
(;'Д`)ハァハァ  マジで読み終えた時 感慨にふけてしまった・・・。かなりの傑作小説だ。読後感が良い。そして読みやすい。異国の少女との出会い・・・そして高校の同級生・・・。キャラというか登場人物が立っていて とても面白かった。なんとも言えない青春小説ですた・・・。人間の描写が卓越しておる。これほどまでに素晴らしい小説が 何故 埋没されているのか・・・不思議に思う・・・。ぜひともお読みください?!