招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)
作者 クリスチアナ・ブランド   深町 真理子
価格 1,260 円
出版社名 東京創元社
出版年月 1990/03
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■読者の評価     おすすめ度平均

歪んだ味わいの本格ミステリ       おすすめ度
本格物の推理短編集におさまらない異彩の短編集。いずれの作品も切れ味のいいロジックと歪んだ感触がたまらないです。
「カップの中の毒」は犯人が犯したミスが最後の1行で暴かれる切れ味が見事な倒叙形式で書かれた作品。
揺れ動く犯人の心理描写に向ける作者の視線が極めて冷徹に書かれています。
傑作として名高い「ジェミニー・クリケット事件」は密室の不可能殺人と同時刻の警官殺人事件に論理的な解決が示される本格物ですが、
それを覆すラストの衝撃が秀逸。(これは本当にすごいです!)何度読んでも感心してしまいます。
(ちなみに今短編集に収められているのはイギリス版。別バージョンのアメリカ版は「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー(角川文庫)」で読むことができます。
ラストが違うのですが、ずいぶん印象が違う作品となっています。)


英米両版が読みたい !       おすすめ度
クリスティの後を継ぐミステリの女王として君臨するC.ブランドの世評高い短編集。長編がトリッキーなアイデアとパズラー的展開で、いわゆる本格ミステリの王道を行くのに対し、本短編集では奇妙な味、ブラックな味と毒で読ませるものとなっている。

秀作は多いが、何と言っても焦点は悼尾を飾る「ジェミニー・クリケット事件」であろう。一応、密室事件を扱ったものだが、これを覆うもう一段の仕掛けが驚異的だ。聞く所に依ると、英国版と米国版とで結末が異なるのだそうだ。私は一方しか読んでいないので、他方も読みたい ! 長編とは一味異なる作者の毒が味わえる傑作短編集。


素晴らしい!       おすすめ度
「ジェミニー・クリケット事件」読みたさに買いましたが、さすがブランド!毒が効いてます。どれをとっても、この毒のジワジワ痺れる感じがたまりません。とてもおいしい短編集だと思います。


この短さで       おすすめ度
本書に収められた最初の短編「事件のあとに」を読んだ時、それまでの前評判はなんだったんだ、と思ったのですが、その後に続く短編はどれも楽しく引き込まれた。
殺す方も殺される方もやな奴だったりで登場人物に感情移入をすることなく、まあ短編だからというのもあるけど、そこに起こった「事件」そのものを楽しめた。


名短編集       おすすめ度
とにかくレベルの高い短編集。『婚姻飛翔』や『ジェミニー・クリケット事件』は海外の本格短編の中でも最高水準の作品。短い枚数の中で二転三転する展開と、解決の鮮やかさは他の作家では味わえない。本格物だけでなく、奇妙な味風の作品などもありバラエティに富んでいる。この作家の持ち味が存分に発揮されていて、贅沢な一冊。