其角俳句と江戸の春
作者 半藤 一利
価格 1,260 円
出版社名 平凡社
出版年月 2006/12/02
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■読者の評価     おすすめ度平均

膨大な薀蓄の妙       おすすめ度
季節ごとの名句の解説に加え、忠臣蔵、三囲神社、永井荷風との絡みで書かれたものも面白かった。
詩句を読む難しさは、幾重にも折り重なった、世界観にあろう。もとの和歌や漢詩など、詠み手の教養や感性をひけらかすと同時に、読み手の眼識や力量を試される。これだけの背景を理解できたのだから、江戸の町人はすごかったと思うが、著者に脱帽。
さらに、詩句を読む難しさは、一度にたくさんの詩句に触れると、一つ一つが記憶に残らないことである。一つや二つそらんじて、とりあえずは江戸の粋を感じられたら、初心者としてはよいことにしたい。


江戸時代の粋な其角の俳句を読み解く知の冒険       おすすめ度
芭蕉の弟子で、その人とありと知られた其角の俳句を著者がさまざまな推理を働かせて、読み解く楽しい本でした。NHK BSの「週刊ブック」で作家の青木奈緒さんが紹介されていたのですが、それまで其角という人は名前ぐらいで、よく知りませんでした。でも、「鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春」「夕すずみよくぞ男に生れけり」「我が雪と思へばかろし笠の上」といった句は、どこかで聞いていたような気がします。
今回、それらが其角の作だとはじめて知りました。わずか17字でありありと情景がうかんだり、その背景にさまざまな故事が含まれていたりと、あらためて俳句の奥深さを認識した本でした。でも、この本は、そんなかしこまった説明ではなく、作者が、さまざまな角度から推理して其角の句を読み解く楽しい知の冒険といった感じがしました。それにしても、昔の江戸って、粋だったんですねぇ。