月ノ浦惣庄公事置書
作者 岩井 三四二
価格 1,500 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2003/06
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    第10回 松本清張賞   受賞
隣村との土地争いに決着をつけるべく公事(裁判)に奔走する湖北の村。だが、背後には暗い企みが隠されていた。中世社会を活き活きと描き出した、怨念と復讐の歴史ロマネスク。

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■読者の評価     おすすめ度平均

ふさいちの感想       おすすめ度
 中世の土地をめぐる公事(裁判)という非常に地味な話でありながら、合戦あり、男女の恋愛あり、そして親子のすれ違う人間関係ありと非常に面白い。中世のミステリという新分野を描き、さすがに大文豪の名を冠した賞を受賞した作品である。


次回作に期待       おすすめ度
裁判もの歴史小説というところか。良く構成されており、一気に読める小説だが、読後感としては、まあ、並の作品という感じ。他人に是非読めと薦められるレベルではない。
登場人物に感情移入できないというか、物語にとけこめないのである。
もう少し筆力があればという意味で、次回作に期待。


歴史法廷ミステリ?       おすすめ度
遅読派の小生には珍しく一気読みしてしまった。室町時代の公事(訴訟)という
狙いどころがまずいい。話しもよくできていてはらはらどきどきできる。だれた
ところのないスピーディな展開もグー。高橋克彦のいう「新しい歴史小説の誕生」
というのもうなずける。
 しかし「法廷ミステリの傑作」ってのは明らかに言い過ぎ。我々が法廷ミステ

リに期待するのは、法廷における訴追側と弁護側の駆け引き、それに伴う意外な
展開と謎の解明というところだが、そういうのはほとんどないもの。そもそも謎ら
しい謎もなく、ミステリですらないような気がする。
 人物造形にも物足りなさが残る。特に善玉側のそれがいまひとつ。善玉側の中

心を定めていないのがその一因のように思う。右近か新次郎!どちらかに定めるべ
きではなかったか。