魂萌え !
作者 桐野 夏生
価格 1,785 円
出版社名 毎日新聞社
出版年月 2005/04/21
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    第5回 婦人公論文芸賞  受賞
夫の急死後、世間という荒波を漂流する主婦・敏子。六十歳を前にして、惑う心は何処へ?ささやかな“日常”の中に豊饒な世界を描き出した桐野夏生の新たな代表作。

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■読者の評価     おすすめ度平均

母への理解が深まりました       おすすめ度
59歳の敏子さんが夫を突然失い、生前の夫の秘密を知り、子どもとの距離感を設定し直し、自身の人生を生き始めるストーリー。
「生前の伴侶に愛人がいた。」十代の携帯小説なら、この裏切りへの葛藤に終始してしまうでしょうが、傷つき迷いながらも日常を続け、理解し許し、爽やかに新たな覚悟を持つに至るのは、「守られていた」とは言えさすが59歳、歳を重ね成熟していくことへの賛歌に感じられました。
偶然ケーブルテレビで観た映画の、吹雪ジュンさん三田佳子さんの説得力のある演技に打たれて本も読んでみたのですが、映画にも「OUT」にも負けていません。
「思わぬ出来事に大きなショックを受け、左脳の思考過程が麻痺し、右脳で考え始めることがある。一歩身を引いて人生を見つめ、本当に大事なのは何なのか、と人生で最も重要な質問を自分に投げかける。」
長年家族に尽くしてきた母が、父に去られた時の孤独と覚悟を、20年後に読んだこの小説で実感として理解出来ました。
優秀な小説の中では、ひとの人生も体験出来る。母への理解が深まりました。



主婦から見た世間という荒波       おすすめ度
夫を亡くした還暦目前の専業主婦が世間という荒波にもまれながら成長していく物語。夫の死による家族との遺産相続問題、夫の浮気問題、そして蕎麦食べ歩きの会での情事など、話がきれいにまとまっていてとても読みやすかった。息子、娘ともにいまだに半人前で、特に息子はお金をせびることしか頭にない最低で冷たい男だったが、息子に臆することなく立ち向かっていく敏子を応援したくなった。


人のドタバタの観察は面白い       おすすめ度
「人のドタバタの観察は面白い」
そう思った作品です。
主人公は未経験のことに一歩踏み出すたびにドタバタしていきます。
「養殖で育った魚が、大海に出たらどうなるか…その魚のドキュメンタリーです」
(魚を人に置き換えてみて下さい)
そんな感じです。
だから面白い!
「あ〜違うよ!そーじゃないってば!」
「何やってるの!私ならこーするのに」
と思いながら作品に引き込まれていきます。

最後はもっと主人公にぶっ飛んでもらいたかった…
何だかそのほうがもっと本から勇気が与えられる気がしました。
とりあえず、中高年の親戚には「読んで〜」と勧めている一冊です。


自分の気持ち       おすすめ度
自分の気持ちに、素直になる。
それは、ときとしてとても勇気の要ること。

I'm sure. I can do it.
そんな風に感じました。。。


おふくろさん       おすすめ度
 現代は高齢化社会への過渡期なのだと思いました。晩年、母が「子供にお金を残すなんて馬鹿らしく思うようになってきた」と言っていたのを思い出します。親にたかるばかりの子供であったし、今にして思う「おふくろ」の「こころ」への悔悟がわいてきます。