エリ・エリ (ハルキ文庫)
作者 平谷 美樹
価格 1,000 円
出版社名 角川春樹事務所
出版年月 2005/05
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■読者の評価     おすすめ度平均

面白かった!       おすすめ度
神の存在という重苦しいテーマにもかかわらず比較的楽に読むことができました。難解なテーマにもかかわらず読みやすく、知的好奇心が満足させられる読後感は作者の文章がとってもうまいからだと思います。日本のSF小説にこういった高レベルのものが次々と生まれればSF小説ファンとしては嬉しい限りです。
SFに馴染みのない方にもおすすめです。


決して堅苦しくない物語       おすすめ度
神の存在について悩む神父、宇宙と科学の可能性を信じる科学者、宇宙人の侵略におびえる精神科医を中心にテロリストや法王、アメリカ合衆国大統領など多彩な人物を絡めてテンポ良く物語が語られます。
神とは?信仰とは?といったお堅い話が中心ですが、難しい観念的な話には陥らず、エンターテイメントとして楽しむことが出来ます。
ただ後半少し書き急ぎすぎたように思える点と、前半の思わせぶりな記述が後半になっても生かされていないように思ったので星一つ減点としました。


続編にも期待!       おすすめ度
 神は実在するのか?実在するとすれば、なぜ我々を救ってくれないのか。「エリ エリ レマ サバクタニ!(神よ、神よ、なぜ見捨てたまう!)」。タイトルの『エリ・エリ』はここに由来するわけですが、そのなぜ?を含めた「神とは?」への答えの道筋がSFという形で表現されています。決して超常現象や奇跡の類が出てくる話ではありません。
 実際読んでみると、テーマ性や話の展開の仕方が良く、また非常に読み易かったこともあって、率直に楽しめました。一気に読めます。但し、テーマに全く興味がない方、文章に芸術性を期待する方、SFという性質上、その独特な世界観にどうしても馴染めない方にはお薦め出来ないかもしれません。
 続編の『レスレクティオ』『黄金の門』にも期待大。同様のテーマ、山本弘『神は沈黙せず』もお薦め。


宗教と木星と脳と・・       おすすめ度
第一回小松左京賞受賞作品という帯につられて買ったというのが本当のところです。
神を探す・・との事で各章の始めには聖書からの言葉が書かれていますが、宗教的なことを知らなくても問題なく読めます。
一部は「木星へ」となっていますが、これも木星を理解できていなくてもすいすいと読めます。
タイトルから想像するほどSFチックな作品ではなく、あまり想像力がなくても読めてしまうのでとっつきやすいと思います。
むしろタイトルに触れていなかった後半、神父の「脳」についてはかなりインパクトある内容でした。
これを読んで、作者の他の作品も読んでみたくなりました。


神父の苦「脳」の行方       おすすめ度
決して読みにくい文章ではない。内容も難解ではない。SFといっても科学的な要素はバックグラウンドに過ぎず、あくまでメインは「虚ろな信仰」に苦悩する神父のお話である。結構な尺の割にはすいすいと読めてしまうが、幾つかのプロットがほんの少し絡みながらあとは平行に展開してゆくようだったり、伏線の結実が今ひとつ弱い感じだったり。各章の冒頭にイエスとユダの話があるのだけれど、一部を除いて本編との関連がすっきりしない感もある。
でも信仰というテーマをSFで取り上げたのは新鮮だったし、自分的には楽しめたので四つ星ということで。