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■読者の評価
おすすめ度平均
試合特有の緊張感が足りなかった気がする おすすめ度
主人公のキャラクターに好感がもてた。自分のことを冷静に分析し、人気球団の性格にとらわれず自分の意思を貫くキャラクターだ。また、服のメーカーを紳士服の青木と答えたり、女優の彼女とのやりとりはユーモアのセンスもあっておもしろかった。ストーリも次の展開が楽しみになるくらいおもしろかった。ただ、野球の話なのに試合の様子やその緊張感がちょっと足りなかった気がする。
優等生の野球ミステリー おすすめ度
第3回(2004年度)「このミステリーがすごい!」大賞受賞作
「スロウ・カーブ」改題。
日本で一番人気があり、常に日本一であることを要求される球団を
舞台にし、野球小説としての要素も盛り込んでいます。
人気球団の選手だからこそ注目されることの快感。
そこから離れることの怖さ。
また、一軍と二軍の大きな差など、リアリティがあります。
この球団の2年目ピッチャーのサウスポー沢村が、何者かに襲われ
その翌日、球団のフロント、マスコミの番記者宛てに怪文書が届きます。
沢村は暴力団と関係があり、八百長をやっている、と告発されています。
ここに、古参の記者下平通子、売れない女優との恋愛をからめるのですが、
それぞれの人物造形がうまい。
下平は亀の甲より年の功を地で行く、食えないおばさん。
売れない女優は美しく、ポジティブで、強い女性。
またフロント、チームメイトから疑いをかけられながらも
監督だけは沢村を信じるなど、読ませる内容です。
ミステリーも、不可解なトレードを巻き込み、どんどん深まっていきます。
ところが犯人の動機が弱い。
致命的なことに「おもしろいか」といえば、そうでもない。
とても優等生過ぎてしまう。
人気球団に入団して、一瞬でも天狗にならない人間に親しみはわかない。
「スロウ・カーブ」改題。
日本で一番人気があり、常に日本一であることを要求される球団を
舞台にし、野球小説としての要素も盛り込んでいます。
人気球団の選手だからこそ注目されることの快感。
そこから離れることの怖さ。
また、一軍と二軍の大きな差など、リアリティがあります。
この球団の2年目ピッチャーのサウスポー沢村が、何者かに襲われ
その翌日、球団のフロント、マスコミの番記者宛てに怪文書が届きます。
沢村は暴力団と関係があり、八百長をやっている、と告発されています。
ここに、古参の記者下平通子、売れない女優との恋愛をからめるのですが、
それぞれの人物造形がうまい。
下平は亀の甲より年の功を地で行く、食えないおばさん。
売れない女優は美しく、ポジティブで、強い女性。
またフロント、チームメイトから疑いをかけられながらも
監督だけは沢村を信じるなど、読ませる内容です。
ミステリーも、不可解なトレードを巻き込み、どんどん深まっていきます。
ところが犯人の動機が弱い。
致命的なことに「おもしろいか」といえば、そうでもない。
とても優等生過ぎてしまう。
人気球団に入団して、一瞬でも天狗にならない人間に親しみはわかない。
プロ野球界を舞台にした異色のミステリー おすすめ度
「第3回『このミステリーがすごい!』大賞」の大賞を分け合った2作のうちの一作。
私も好きなプロ野球界を舞台にしたミステリーだ。
人気在京球団オリオールズの左腕投手・沢村航(わたる)が、見知らぬ男に暴行を受けたことが事件の始まりだった。沢村を「暴力団と癒着している」だの、「八百長を行っている」だのという誹謗中傷の告発文が球団やマスコミに送りつけられる。結局謹慎処分を受けてしまった彼は、自分を罠にハメた者に対して自ら真相究明に乗り出す。
そして彼は過去にもオリオールズの左腕投手(サウスポー)ばかりが同様の手口でハメられ、トレードに出されたり、選手生命を奪われていたという事実にたどり着く。誰が、何のために?
作者の言葉にあるように「密室などのトリックのない、死体すらない」、本来はサスペンス主体のストーリーなのだろうが、どう見ても球団はあの有名チームを、監督はあの有名人をモデルにしたとしか思えない設定で、オーナー、フロント、コーチやトレーナー、チームメイト、他球団の選手、それに加えてスポーツ記者とのやりとりが業界裏話の暴露というより、むしろ私には漫画チックに感じられて、やや物語全体の緊迫感を損ねているような気がした。
サスペンスミステリーとしては今ひとつだったが、事実かどうかは別にして球団の内幕を垣間見ることができたことと、主人公沢村の野球に賭ける執念、投手と打者の駆け引き、試合中の選手の実際の動きなど、プロ野球ファンの一人として興味深く読むことができた。
私も好きなプロ野球界を舞台にしたミステリーだ。
人気在京球団オリオールズの左腕投手・沢村航(わたる)が、見知らぬ男に暴行を受けたことが事件の始まりだった。沢村を「暴力団と癒着している」だの、「八百長を行っている」だのという誹謗中傷の告発文が球団やマスコミに送りつけられる。結局謹慎処分を受けてしまった彼は、自分を罠にハメた者に対して自ら真相究明に乗り出す。
そして彼は過去にもオリオールズの左腕投手(サウスポー)ばかりが同様の手口でハメられ、トレードに出されたり、選手生命を奪われていたという事実にたどり着く。誰が、何のために?
作者の言葉にあるように「密室などのトリックのない、死体すらない」、本来はサスペンス主体のストーリーなのだろうが、どう見ても球団はあの有名チームを、監督はあの有名人をモデルにしたとしか思えない設定で、オーナー、フロント、コーチやトレーナー、チームメイト、他球団の選手、それに加えてスポーツ記者とのやりとりが業界裏話の暴露というより、むしろ私には漫画チックに感じられて、やや物語全体の緊迫感を損ねているような気がした。
サスペンスミステリーとしては今ひとつだったが、事実かどうかは別にして球団の内幕を垣間見ることができたことと、主人公沢村の野球に賭ける執念、投手と打者の駆け引き、試合中の選手の実際の動きなど、プロ野球ファンの一人として興味深く読むことができた。
ピッチングも小説も「キレ味」が大事 おすすめ度
クールな頭脳派サウスポーである沢村は、旧態依然としたプロ野球界では異色の存在。ある日暴力事件に巻き込まれた彼は、それが元で八百長疑惑をかけられる。いったいなぜこういう事になったのか。自分をはめたのは誰なのか。真相を究明する為、沢村は立ち上がる。
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この作品のポイントは、大きく3つある。まず舞台設定。登場する球団、監督などは容易にモデルが想像でき、親しみやすい(野球ファンなら、選手や記者についても推測がつくだろう)。続いてプロ野球の描き方。「ピッチャーは走りこみと投げ込みをやってりゃいいんだ。ウエイトトレーニングなんか要らない」そんな考えが何十年も常識としてまかり通っている事を非難しつつも、「選手は何も考えずにプレーしているわけじゃない。やっている事はものすごく高度で繊細」と、プロの凄さについて書く事も忘れていない。最後に、魅力的な登場人物。それぞれキャラクターの個性が確立されていて、読者が求めるツボをしっかりと抑えている。謎解きという点では平凡であり、読み進めていけば犯人はわかるだろう。ただ、読む方としては「あのキャラはどうなるのか」気になるので、最後までスムーズに頁をめくっていける。
試合描写など粗が感じられる面もあるが、十分に楽しめる作品。あまり深い事を考えずに、サラッと読むと吉。
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この作品のポイントは、大きく3つある。まず舞台設定。登場する球団、監督などは容易にモデルが想像でき、親しみやすい(野球ファンなら、選手や記者についても推測がつくだろう)。続いてプロ野球の描き方。「ピッチャーは走りこみと投げ込みをやってりゃいいんだ。ウエイトトレーニングなんか要らない」そんな考えが何十年も常識としてまかり通っている事を非難しつつも、「選手は何も考えずにプレーしているわけじゃない。やっている事はものすごく高度で繊細」と、プロの凄さについて書く事も忘れていない。最後に、魅力的な登場人物。それぞれキャラクターの個性が確立されていて、読者が求めるツボをしっかりと抑えている。謎解きという点では平凡であり、読み進めていけば犯人はわかるだろう。ただ、読む方としては「あのキャラはどうなるのか」気になるので、最後までスムーズに頁をめくっていける。
試合描写など粗が感じられる面もあるが、十分に楽しめる作品。あまり深い事を考えずに、サラッと読むと吉。
値段分の価値はある おすすめ度
このミスの大賞受賞作ということで、むしろ敬遠していたのだが、野球に関連すると言うことで読んでみた。
ミステリー作品と言うよりは、ミステリー色の強い野球小説という方が適切かもしれない。あきらかに特定の球団・監督をモチーフとした設定、主人公が身に覚えのない八百長疑惑に巻き込まれる展開はきわめてありきたりで、また、犯人も容易に予測がつくのだが、ストイックな主人公のキャラクターを初めとした個性的な登場人物の造型によって作品全体を引き締まり、救われている印象を受けた。
犯人の動機をはじめ、設定に少し無理がある分、☆1つ減点するが、文章自体も読みやすく、少なくとも値段分の価値はある作品だと思う。
余談ですが、「ベースボールミステリー」というリストを作製してありますので、よろしかったらご参照ください。

