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■読者の評価
おすすめ度平均
人物描写やヒネリがまったくない おすすめ度
何人かの方が書かれているとおり、救いがなく、後味の悪い小説です。それはいいのですが、作者の力量不足か、登場人物の背景描写がまったくなく、強引にストーリーが進んでいくだけで面白くも何ともありませんでした。その原因は、
・登場人物(主人公以下全員)の背景描写がなく、ただただ暴走する獣みたいで現実味ナシ
・ストーリー展開にまったくヒネリや意外性がない
からです。
こういうダーク系の小説は、いかに日常と狂気の境を設定するかが重要だと思うのですが、人物描写がうすっぺらいせいで、何のリアリティも狂気も感じません。例えば主人公にしても「敏腕刑事だった」と一言書いてあるだけで、それを裏付けるエピソードがない。行方不明の娘にしても、「頭が良い」らしいのですが、それを裏付けるのは「国立大学進学を希望していた」という事実のみ(笑)。過去のエピソードから人物を浮かび上がらせ、かつそのエピソードが事件の伏線になっている、というのがこういうミステリーの基本だと思うのですが、この小説はただ暴力シーンだけが詳細に描写されるのみで、まったく二流以下のミステリーです。こういうタイプの小説が好きならば好きで、出来の悪さに愕然とするでしょうし、嫌いならば尚のこと読む価値なし、という感じです。
・登場人物(主人公以下全員)の背景描写がなく、ただただ暴走する獣みたいで現実味ナシ
・ストーリー展開にまったくヒネリや意外性がない
からです。
こういうダーク系の小説は、いかに日常と狂気の境を設定するかが重要だと思うのですが、人物描写がうすっぺらいせいで、何のリアリティも狂気も感じません。例えば主人公にしても「敏腕刑事だった」と一言書いてあるだけで、それを裏付けるエピソードがない。行方不明の娘にしても、「頭が良い」らしいのですが、それを裏付けるのは「国立大学進学を希望していた」という事実のみ(笑)。過去のエピソードから人物を浮かび上がらせ、かつそのエピソードが事件の伏線になっている、というのがこういうミステリーの基本だと思うのですが、この小説はただ暴力シーンだけが詳細に描写されるのみで、まったく二流以下のミステリーです。こういうタイプの小説が好きならば好きで、出来の悪さに愕然とするでしょうし、嫌いならば尚のこと読む価値なし、という感じです。
うーん… おすすめ度
まず内容はともかく、文章がぶつぶつと途切れていて読みにくい。言葉の使い方が合ってないところも幾つか。
元警察官の父親が娘を探す話だけれど、父親が何でもありのヒトで、
同じ父親を持つ娘としては、彼女の堕ちていった理由が分かるような…あんなお父さん、嫌です(笑)
それでも最後まで一気に読んでしまいました。
読後に爽やかさを求める人は、この本は読まないほうがいいと思います。
元警察官の父親が娘を探す話だけれど、父親が何でもありのヒトで、
同じ父親を持つ娘としては、彼女の堕ちていった理由が分かるような…あんなお父さん、嫌です(笑)
それでも最後まで一気に読んでしまいました。
読後に爽やかさを求める人は、この本は読まないほうがいいと思います。
壊れるオヤジ おすすめ度
第3回(2004年度)「このミステリーがすごい!」大賞受賞作
「果てなき渇きに眼を覚まし」改題「果てしなき渇き」
著者名古川敦史を深町秋生に改名。
とても後味の悪い小説です。
元刑事藤島が、行方不明になった高校生の娘加奈子の行方を追うのですが
その過程で、娘の知らない面がどんどん明らかになっていきます。
基本的な文章が下手なんですよね。一人称がたびたび入り込む三人称が
主体なのですが、よく主語がわからなくなります。
また人物造形も薄い。主人公の元刑事の藤島は、職人のような刑事だったと
設定されていますが、それがひとつも感じられません。
過去のエピソードなり、現在の行動からそれをうかがわせることもない。
ドラッグを見つければそれに溺れ、女を見れば犯し、拳銃を手にすればぶっ放す。
彼がどんどん壊れていくのも、よくわからない。
さらに娘の加奈子は、皆が一様に「頭がいい」というが
それもそれほど頭がいいとは思えない。
ストーリーも、人の心の闇に迫るフリをして、掘り下げていかない。
また加奈子の心が壊れてしまう原因もあまりにも陳腐。
それに対する父親としての藤島の行動も不可解。
プロットは藤島が、行方不明になった娘を追うストーリーと
3年前加奈子に関わった中学生のストーリーが交互に語られ
これは巧みに練られています。
この小説を最悪にしているのは、藤島をはじめ登場人物の暴行・レイプシーン。
正直、もうこの小説を読みたくない、と何度も思いました。
しかし読者にその感情を抱かせるのが、もしもこの著者の狙いだとしたら
これほどの描写力もないだろうと思います。暴行シーンだけはうまい。
「果てなき渇きに眼を覚まし」改題「果てしなき渇き」
著者名古川敦史を深町秋生に改名。
とても後味の悪い小説です。
元刑事藤島が、行方不明になった高校生の娘加奈子の行方を追うのですが
その過程で、娘の知らない面がどんどん明らかになっていきます。
基本的な文章が下手なんですよね。一人称がたびたび入り込む三人称が
主体なのですが、よく主語がわからなくなります。
また人物造形も薄い。主人公の元刑事の藤島は、職人のような刑事だったと
設定されていますが、それがひとつも感じられません。
過去のエピソードなり、現在の行動からそれをうかがわせることもない。
ドラッグを見つければそれに溺れ、女を見れば犯し、拳銃を手にすればぶっ放す。
彼がどんどん壊れていくのも、よくわからない。
さらに娘の加奈子は、皆が一様に「頭がいい」というが
それもそれほど頭がいいとは思えない。
ストーリーも、人の心の闇に迫るフリをして、掘り下げていかない。
また加奈子の心が壊れてしまう原因もあまりにも陳腐。
それに対する父親としての藤島の行動も不可解。
プロットは藤島が、行方不明になった娘を追うストーリーと
3年前加奈子に関わった中学生のストーリーが交互に語られ
これは巧みに練られています。
この小説を最悪にしているのは、藤島をはじめ登場人物の暴行・レイプシーン。
正直、もうこの小説を読みたくない、と何度も思いました。
しかし読者にその感情を抱かせるのが、もしもこの著者の狙いだとしたら
これほどの描写力もないだろうと思います。暴行シーンだけはうまい。
“負”に魅せられる おすすめ度
いじめと娘の失踪。どちらも重すぎる。というか哀しすぎる。この物語りすべてが。これでもかと人間の暗闇を掘り下げてくる。読んでいると、熱っした重石を詰め込まれたように身体の中が重く熱くなり、知らないうちに眉間に力が入り、気付くとため息が出ている。どうしようもなくネガティブな内容だけれど、“負”に魅せられたかのように読み続くてしまう。
これぞ “救いようのない” 暗黒小説 おすすめ度
これ以上ないほど暗い、登場する人たちが誰一人救われない、希望のかけらもない物語。
馳星周の書く『不夜城』を初めとする作品ジャンルを「暗黒小説」と呼ぶことがあるが、本書こそ、その呼び名がぴったりと来る作品。
次に掲げる著者からのコメントがすべてを物語っている。
「私の青春は暗かった。『果てしなき渇き』では、そんな過去を嫌々思い出しながら書いた。これは孤独と憎悪に耐えかね、疾走する人間達の悲しみを描いた作品である。友愛や和気を著しく欠いているために、激しい拒否感を抱く方もいるだろう。けれど同時にこの小説の世界に共感を覚える方もきっとどこかにいてくれるはずだとも思う。なぜなら慈愛に満ちた世界を疎み、燦々と輝く太陽に向かって唾を吐きたいと願う人間は、私だけではないはずだと、固く信じているからだ。」
私が思うに、本書が「このミス大賞」を受賞したのは
1.もうひとつの大賞受賞作『サウスポー・キラー』とバランスをとるため。『サウスポー〜』一作品だけではインパクトに欠けるため。
2.文章力、表現力が新人離れしているため。短く切り詰めた文体で次々につむぎだされてゆく文章は、物語の内容はともかくとしても、「読ませる」。失踪した娘を現実の時間軸上には一度も登場させずに、その実像を徐々に浮かび上がらせてゆくテクニックも優れている。
馳星周の書く『不夜城』を初めとする作品ジャンルを「暗黒小説」と呼ぶことがあるが、本書こそ、その呼び名がぴったりと来る作品。
次に掲げる著者からのコメントがすべてを物語っている。
「私の青春は暗かった。『果てしなき渇き』では、そんな過去を嫌々思い出しながら書いた。これは孤独と憎悪に耐えかね、疾走する人間達の悲しみを描いた作品である。友愛や和気を著しく欠いているために、激しい拒否感を抱く方もいるだろう。けれど同時にこの小説の世界に共感を覚える方もきっとどこかにいてくれるはずだとも思う。なぜなら慈愛に満ちた世界を疎み、燦々と輝く太陽に向かって唾を吐きたいと願う人間は、私だけではないはずだと、固く信じているからだ。」
私が思うに、本書が「このミス大賞」を受賞したのは
1.もうひとつの大賞受賞作『サウスポー・キラー』とバランスをとるため。『サウスポー〜』一作品だけではインパクトに欠けるため。
2.文章力、表現力が新人離れしているため。短く切り詰めた文体で次々につむぎだされてゆく文章は、物語の内容はともかくとしても、「読ませる」。失踪した娘を現実の時間軸上には一度も登場させずに、その実像を徐々に浮かび上がらせてゆくテクニックも優れている。

