午前三時のルースター
作者 垣根 涼介
価格 1,600 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2000/04
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    第17回 サントリーミステリー大賞   受賞
旅行代理店に勤務する長瀬は、得意先の中西社長に孫の慎一郎のベトナム行きに付き添ってほしいという依頼を受ける。慎一郎の本当の目的は、家族に内緒で、失踪した父親の消息を尋ねることだった。現地の娼婦・メイや運転手・ビエンと共に父親を探す一行を何者かが妨害する…最後に辿りついた切ない真実とは。

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■読者の評価     おすすめ度平均

才能はデビュー作から開花してるよ       おすすめ度
が垣根さんの作品に出会ったのは、「ワイルドソウル」の単行本の時。ガツン!って感じがしたのを覚えてます。読後感が、何とも言えないくらい爽快かつ圧倒的なんだ。
 爾来、その印象を壊すのがイヤで、あえて遠ざけてきたんだけど、書店でこの文庫を手にしてしまったわけです。で、今回の作品はデビュー作だとか。かー!すげえやって思いましたね。すーっと入ってきて、ガツっとくる垣根流、このころから健在だったんですね。
 昨日、夜を徹して読み切ってしまいました。こんな感覚、久しぶりです。で、垣根作品のおもしろみというのは、主要な各登場人物に、感情移入しやすいことでもあるだろう。
 主人公の長瀬や慎一郎にも、ベトナム人のメイやビエンにも共感できる。そして、失踪した父にも。それだけじゃない。はしばしに登場する、脇役たちのちょっとした心情の吐露とかが、グッとくるんだ。本当にいい!
 彼らと一緒に、ベトナムのスリリングトリップに出かけてみてはどうだろうか。



父親を探す少年の旅とその成長       おすすめ度
「ワイルド・ソウル」で第六回大薮春彦賞受賞・第二十五回吉川英治文学新人賞受賞・第五十七回日本推理作家協会賞受賞を受賞した作家のデビュー作。

本作品は2000年の第17回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞した。

ベトナムで失踪した父親を探す少年の旅とその成長を、この旅に付き添う、旅行代理店勤務の長瀬の視線を通して描くハードボイルド作品。
真実を知った少年が最後の数ページで見せる行動が、読後感を上質なものへと変えてくれる。
デビュー作でもあり、特に後半の展開に若干の無理はあるものの、十分満足の得られる良作である。

この作者と出会うきっかけとなった「ワイルド・ソウル」にも感謝したい。

余談であるが、本作品は、作者が旅行代理店勤務中に書いた作品ということである。



父親を探す少年の旅とその成長       おすすめ度
「ワイルド・ソウル」で第六回大薮春彦賞受賞・第二十五回吉川英治文学新人賞受賞・第五十七回日本推理作家協会賞受賞を受賞した作家のデビュー作。

本作品は2000年の第17回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞した。

ベトナムで失踪した父親を探す少年の旅とその成長を、この旅に付き添う、旅行代理店勤務の長瀬の視線を通して描くハードボイルド作品。
真実を知った少年が最後の数ページで見せる行動が、読後感を上質なものへと変えてくれる。
デビュー作でもあり、特に後半の展開に若干の無理はあるものの、十分満足の得られる良作である。

この作者と出会うきっかけとなった「ワイルド・ソウル」にも感謝したい。

余談であるが、本作品は、作者が旅行代理店勤務中に書いた作品ということである。



なにかが足りない       おすすめ度
なんといえばよいのだろう。
決して悪くはない、むしろいいような気もするのだが、なにか読み終わって満足感がない。
途中までの展開にはとても満足していたのだが、後半の展開があっけなさすぎた。
それと、これはあくまでも私の考えだが、失踪した父親の本当の理由が想像とかけ離れていた。拍子抜けした。

そんなわけで、星三つです。



リアリティ不足否めず       おすすめ度
旅行添乗員の主人公のもとに舞い込んだ一風変わった依頼。15歳の少年と共にベトナムに渡り、失踪した彼の父親を捜すという。手掛かりは日本のテレビ番組に映った父親らしき姿のみ。捜索隊のメンバーは主人公と少年に加え、日本から興味本位で参加することとなった源内という友人(しかし友達と呼ぶには抵抗があるらしい)、現地で雇った走り屋気質のドライバー、同じく娼婦のガイドの5人。思わぬ妨害や危険にさらされ、彼らは少年の父親を捜し出すことが出来るのか?
表紙の雰囲気の良さとタイトルに惹かれて読み始めた。また本書が大きな賞を受賞し評判も高かったのも要因である。
しかし、読みながら妙な気持ち悪さが感じられた。

まず、主人公の旅行添乗員が何者なのか最後までわからなかった。慣!れぬ土地で危険を掻い潜り瞬時に状況に応じた判断が出来る危機管理能力の高い旅行添乗員って。

さらに15歳の少年が妙に大人びているのは良しとしても、物分りが良すぎる。10代の少年というものは例え人よりIQが高くとも、悩み、迷い、物事の分別がつかないから、若さ=青さを感じさせるのだと思う。この少年は中年のような分別の良さである。リアリティがまるでない。

他にもまだ上げればキリがないが、何よりもベトナムという土地の匂いが全く感じられなかったのが残念である。おそらくこの舞台が香港でもメキシコでも違和感無くそのまま置き換えられるくらい、ベトナムという地が物語に貢献していない。実に勿体ない。

物語の最後に少年は父親への思いに自分なりの決着を付ける。大人への階段の第1歩というべき1シーンであるが、願わくば、この少年をもう少し少年らしく描けていたら、もっと感動的に出来たのではないかと思う。