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爾来、その印象を壊すのがイヤで、あえて遠ざけてきたんだけど、書店でこの文庫を手にしてしまったわけです。で、今回の作品はデビュー作だとか。かー!すげえやって思いましたね。すーっと入ってきて、ガツっとくる垣根流、このころから健在だったんですね。
昨日、夜を徹して読み切ってしまいました。こんな感覚、久しぶりです。で、垣根作品のおもしろみというのは、主要な各登場人物に、感情移入しやすいことでもあるだろう。
主人公の長瀬や慎一郎にも、ベトナム人のメイやビエンにも共感できる。そして、失踪した父にも。それだけじゃない。はしばしに登場する、脇役たちのちょっとした心情の吐露とかが、グッとくるんだ。本当にいい!
彼らと一緒に、ベトナムのスリリングトリップに出かけてみてはどうだろうか。
本作品は2000年の第17回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞した。
ベトナムで失踪した父親を探す少年の旅とその成長を、この旅に付き添う、旅行代理店勤務の長瀬の視線を通して描くハードボイルド作品。
真実を知った少年が最後の数ページで見せる行動が、読後感を上質なものへと変えてくれる。
デビュー作でもあり、特に後半の展開に若干の無理はあるものの、十分満足の得られる良作である。
この作者と出会うきっかけとなった「ワイルド・ソウル」にも感謝したい。
余談であるが、本作品は、作者が旅行代理店勤務中に書いた作品ということである。
本作品は2000年の第17回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞した。
ベトナムで失踪した父親を探す少年の旅とその成長を、この旅に付き添う、旅行代理店勤務の長瀬の視線を通して描くハードボイルド作品。
真実を知った少年が最後の数ページで見せる行動が、読後感を上質なものへと変えてくれる。
デビュー作でもあり、特に後半の展開に若干の無理はあるものの、十分満足の得られる良作である。
この作者と出会うきっかけとなった「ワイルド・ソウル」にも感謝したい。
余談であるが、本作品は、作者が旅行代理店勤務中に書いた作品ということである。
決して悪くはない、むしろいいような気もするのだが、なにか読み終わって満足感がない。
途中までの展開にはとても満足していたのだが、後半の展開があっけなさすぎた。
それと、これはあくまでも私の考えだが、失踪した父親の本当の理由が想像とかけ離れていた。拍子抜けした。
そんなわけで、星三つです。
表紙の雰囲気の良さとタイトルに惹かれて読み始めた。また本書が大きな賞を受賞し評判も高かったのも要因である。
しかし、読みながら妙な気持ち悪さが感じられた。
まず、主人公の旅行添乗員が何者なのか最後までわからなかった。慣!れぬ土地で危険を掻い潜り瞬時に状況に応じた判断が出来る危機管理能力の高い旅行添乗員って。
さらに15歳の少年が妙に大人びているのは良しとしても、物分りが良すぎる。10代の少年というものは例え人よりIQが高くとも、悩み、迷い、物事の分別がつかないから、若さ=青さを感じさせるのだと思う。この少年は中年のような分別の良さである。リアリティがまるでない。
他にもまだ上げればキリがないが、何よりもベトナムという土地の匂いが全く感じられなかったのが残念である。おそらくこの舞台が香港でもメキシコでも違和感無くそのまま置き換えられるくらい、ベトナムという地が物語に貢献していない。実に勿体ない。
物語の最後に少年は父親への思いに自分なりの決着を付ける。大人への階段の第1歩というべき1シーンであるが、願わくば、この少年をもう少し少年らしく描けていたら、もっと感動的に出来たのではないかと思う。

