サマー/タイム/トラベラー (1)  ハヤカワ文庫 JA (745)
作者 新城 カズマ
価格 693 円
出版社名 早川書房
出版年月 2005/06/16
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    第37回 星雲賞   受賞
あの奇妙な夏、未来に見放されたぼくらの町・辺里で、幼馴染みの悠有は初めて時空を跳んだ―たった3秒だけ未来へ。「お山」のお嬢様学校に幽閉された響子の号令一下、コージンと涼とぼく、そして悠有の高校生5人組は、「時空間跳躍少女開発プロジェクト」を開始した。無数の時間SFを分析し、県道での跳躍実験に夢中になったあの夏―けれど、それが悠有と過ごす最後の夏になろうとは、ぼくには知るよしもなかった。

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■読者の評価     おすすめ度平均

不安感をあおる……       おすすめ度
新城カズマさんは「蓬莱学園の冒険」でマスターを勤めてはった時から知っているのですが、大きな風呂敷を広げて、小さな商品を魅力的に売るのが得意。蓬莱学園の舞台設定はものすごい好きやったんやけど……

タイムトラベル物の小説をリストマニアで作成している何人かがこの作品を挙げているので、興味を持って購入したんですが、下巻に向けて正直不安感をあおられています。
数秒先の未来に「跳んでしまう」幼なじみと、その現象を夏休みの暇つぶしに研究する仲間たち。過去に発表されたタイムトラベル物の小説がポンポンと例示されて、新城さんがそういう作品が好きなことは良く分かったのですが…………よっぽどのアイデアがないとものすごく失敗作になってしまいそうな気がします。

最後まで読み終える前にレビューするのは初めてですが、色々と不安感をあおる作品だったので。


SF好きな人には面白い作品なんだと思う       おすすめ度
ハインラインの夏への扉に対応した作品だというのは理解できました。
SF的なものがいっぱいちりばめられていて、SF好きな人にとっては面白い作品。
ただ、悠有の能力の本作の必然性と最後の結末の動機がよくわからない。
それと、人間ドラマとしての面白さを私は求めてしまうところがある
私としては、SF的なものを出そうとしたあまりに登場人物の人間的な部分が
あまり出てこなかったので星をひとつ減らしました。


ああ、面白かった。       おすすめ度
この小説は、幼馴染を中心にして起きた、高校一年生の時のひと夏の事件を、何十年か
後に主人公が思い返して書いているという形式をとった、過去への追憶と悔恨の物語です。

もう戻れないあの時。もうやり直せないあの瞬間。
でも決して忘れることはできない、大切な思い出。
こういうノスタルジックな想いに共感できるのなら、この本は大いに楽しめます。

さらに、タイムトラベルものが好きなら、確実に忘れられない作品になります。


ノスタルジックな物語り       おすすめ度
思わせぶりな導入部分の作り物めいた感じが嫌味に思えて、しばらく積読状態でした。しかし、導入部分を過ぎると、この作品に流れる寂寥感というか喪失感を背景に、印象的なエピソードの連なりが広がっていきます。
失ったもの、過ぎ去ったものへの憧憬が根底にあるようなので、どちらかというと高校を卒業した後に読んだほうが、この小説の持つ雰囲気を共感できるのではないでしょうか?


人を選ぶかも       おすすめ度
自分としては結構面白かったです。淡々と進むストーリー、感情をあからさまに出さないキャラクター達。タイムトラベルという大げさなストーリーにできるネタを使いながら静かに進むストーリー。それが余計に学生の静かな夏休みの雰囲気をリアルに描いています。
ただ、受け入れられない人には面白くない本だと思います。特にキャラクター達に共感できない人や、静かな夏休みの雰囲気を理解できない人は絶対無理です。基本的に冷めたキャラクター達の静かなストーリーなのでエンターテイメント的な要素を求める人は絶対読まないほうがいいです。