ぼっけえ、きょうてえ
作者 岩井 志麻子
価格 1,470 円
出版社名 角川書店
出版年月 1999/10
Amazonの詳細ページへ
    第6回 日本ホラー小説大賞   受賞
岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった…。

  この著者の他の作品を検索する

著者名をクリックすると、この著者の他の作品を検索することが出来ます。

書名か表紙写真をクリックすると、 Amazon.co.jp の詳細ページに移動できます。

商品を購入する際は、移動先の Amazon.co.jp の購入ページにて、商品価格・在庫の有無や納期をよくご確認のうえ、お手続き下さい。



■読者の評価     おすすめ度平均

全然怖くない       おすすめ度
題名とは違い全然怖くありませんでした。短編集の為すぐに読めてしまうので内容には触れませんが、最後の落ちもいまいちで、大賞をとった作品にしては私は楽しめませんでした。
この作者はこの後ホラー作品ではなく官能系の作品ばかり描いているので、選考委員は受賞作を誤ったと思います。
この賞は一年ごとに受賞と受賞作なしを繰り返しているが、それがわざとらしく感じられる。
個人的には、「黒い家」は妥当な受賞だと思うが、この作品には疑問を感じざるを得ない。


期待はずれ       おすすめ度
 評価が高いということで読んでみましたが残念ながら自分にとっては全く怖くありませんでした。こんな評価高いんだからいつか怖くなるんだろうと思って読み進めたのにそのまま話が終わってしまった感じです。何人かの方が言われてるように表紙が一番怖いかと…。

 個人的には怖い、生理的に受け付けないといった点では同じ短編でも小林泰三さんの玩具修理者のほうが上です。あれは途中で読みたくなくなりました。


なぜ大賞・・・?       おすすめ度
驚いた。どうしてこのレベルの作品が大賞なのだろう、と。
描写は粗く雰囲気だけでもっている作品である。それも過去の名作怪談の焼き直しにすぎない。

ただ方言を駆使した語り口の上手さは確かに上手い、と思う。ホラー大賞受賞作としては恐怖感は皆無であるが、昔ながらの怖い話を読みたい方には良いだろう。


女性が怖い       おすすめ度
表題作「ぼっけえ きょうてい」は、とても怖くて、キモチワルイ話です。

でも、主人公の遊女が、私は大好きなのです。
彼女、実はとてもいい女だと思う。
生まれのせいか、ひねくれているけど、(彼女なりの)優しさもあるし、こんな境遇に生まれていなかったら、いいおかみさん、母親になって、普通に幸せになれたんじゃないかな。

まあ、そうはいかないのが、岩井志麻子の世界なのでしょう。

初めて手に取った、岩井志麻子の小説が、この本で良かった。
それから、岩井志麻子の本を、読み漁っています。

岡山弁を多用した、独特の、暗い世界。
希望なんて、ちっとも感じさせない貧しい生活。
でも、それでもたくましく生きる人たち。(特に、女性)

密告函の、主人公の奥さんは、怖いなあ。
にこにこしながら、だんなを裏切る女のしたたかさ、情念の強さ。

うん、ぼっけえ きょうていの主人公の遊女より、彼女のほうが怖い。


恐怖と爆笑。人間の哀しさ。       おすすめ度
怖い作品だが、この怖さは、超自然的なものに対する恐怖ではなく、明治時代に地方の村落共同体の中で「女に生まれたこと」の恐怖である。誕生からして歓迎されない。美人ならそれなりに突破口があるのかも知れぬ。が、不美人だったら、物理的にも心理的にもどこにも終生逃げ場が無い。まして横に「姉ちゃん」がいたりしたら....。
「密告函」は逆に男の「女に対する」恐怖。女房や家庭からの逃避衝動が主題だと思う。爆笑を誘う場面もある。この小役人の小心で事なかれ主義の癖に(であるが故に)、一種の破滅願望に取り憑かれている様子が滑稽なのだ。
「恐怖」と「笑い」は境を接していると思う。
次の二作は性倒錯と恐怖が混淆されている。「あまぞわい」は、やはり女であることの恐怖とアクロトモフィリアがドロドロにミックスされている。「よって件」は小松左京や百間のファンならどんな怪物が出てくるのか推測できるが、その正体までは分からない。タイトルがヒントになっている。
登場人物は男女を問わず、皆、岩井志麻子の分身に見える。