姉飼
作者 遠藤 徹
価格 1,260 円
出版社名 角川書店
出版年月 2003/11
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弁頭屋
夜市
    第10回 日本ホラー小説大賞   受賞
蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜、小学生だった僕は縁日で初めて「姉」を見る。姉はからだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫んでいた。諧謔的表現と不可思議なフリークス世界、かつてないホラー小説誕生!

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■読者の評価     おすすめ度平均

発想の独特さが毒々しい       おすすめ度
 第10回日本ホラー小説大賞の大賞作品「姉飼」を含む短編集。
 表紙とタイトルのインパクトに惹かれて読んでみたが、正直なところあまり強くお薦めできる作品ではなかった。

 表題作の「姉飼」は怖さよりも毒々しさ、けばけばしさがこれでもかと脳を刺激する。「姉」と呼ばれる生き物が串刺しにされて縁日の出店で泣きわめいている様子、脂祭りの匂い立つような気持ち悪さは、着想点は到底思いつかないくらい独特だが「怖いか?」と言われるとそうでもない。それよりも「気持ち悪い。なんだか臭いがしそう。」という思いで一杯。
 「キューブ・ガールズ」はアイデア倒れ。一人の女性の独白で紡いでいるが、どこかで見たSF作品のようであまり感心しなかった。
 「ジャングル・ジム」はジャングルジムが感情をもったモノとして扱われているが、これもそのアイデア一つだけで書かれているように思える。
 「妹の島」は「姉飼」ほどではないが、やはり異世界のような毒々しさのかいま見える南の島の物語。これもなんだか「気持ち悪い」。

 うーん、ホラーに求めているものとはとにかくずれている感じがします。


魅力に欠けます。       おすすめ度
題名が非常に奇抜なので興味を引かれて購入しました。
しかもホラー小説大賞受賞とのことなので、非常に期待して読みました。しかしながら、期待ほどでは無かったので少々残念です。

ストーリー設定は題名の通り非常に奇抜でいわゆる「ぶっ飛んだ」お話です。しかしながらその奇抜さゆえに今ひとつ現実感が無く、おもしろさが少なくなってます。

ある意味で著者は天才的な発想を披露していますが、ストーリには魅力を感じません。


作者一世一代の佳作       おすすめ度
 表題作はエログロ短編の秀逸作品。「姉」という理不尽な存在の設定がよかった。水商売系の女性を、オネエチャンと呼称する日本の言語感覚に、巧妙に忍び寄る名づけかたである。この言語感覚は、捨て難い。
 併録の三編は凡庸。作品集としての完成度は低い。
 ただ、やはり表題作のインパクトが強く、表紙絵も生々しい。つい、置くときは裏返してしまうような本である。


奇想だけが際立つ       おすすめ度
とにかく異様な世界が印象的ですが、それに終始してしまった感ありです。
圧倒的な気味の悪さで勝負する気のようですが、スプラッタな表現も小林泰三
の方が数段上でしょう。ストーリーにもひねりが足りず、ホラーと言えるほど
怖くはありません。こんな話を考えつく作者はちょっと怖いですけど。
不謹慎かもしれませんが、猟奇的な犯罪を行った人間の本棚のこんな本があっ
たら、間違いなく話題になるだろうなとか考えてしまいました。
確かにインパクトがあり、大化けする可能性もなきにしもあらずですが、次に
期待というほどではないですね。


惜しいねー       おすすめ度
想像力を刺激する描写だけど、それだけ。っていうと言いすぎかもしれませんが、期待が大きすぎただけにストーリーが凡庸に感じられます。でも何かやってくれそうな雰囲気はお持ちなので次回作に期待したいところです。

クライブ・バーカー(の「ミッドナイト・ミートトレイン」)みたいなのを期待します、っていうと期待しすぎかな。