終戦のローレライ 上
作者 福井 晴敏
価格 1,785 円
出版社名 講談社
出版年月 2002/12/10
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    第24回 吉川英治文学新人賞   受賞
    本屋大賞 2004年   受賞
1945年、夏。彼らは戦っていた。誰にも知られることなく、ただその信念を胸に。 昭和20年、日本が滅亡に瀕していた夏。崩壊したナチスドイツからもたらされた戦利潜水艦・伊507が、男たちの、国家の運命をねじ曲げてゆく。五島列島沖に沈む特殊兵器・ローレライとはなにか。終戦という歴史の分岐点を駆け抜けた魂の記録が、この国の現在を問い直す。

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???数々の文学賞を受賞し話題となった、前作『亡国のイージス』から3年。再び大海原を舞台とした骨太な海洋冒険小説が誕生した。本文は2段組、上下巻あわせて1000ページを超える大作である。

???第2次大戦末期、主人公の海軍新兵・折笠征人は、未だ知らされぬ任務のため親友の清永と広島の呉軍港に降り立つ。そこでは、1隻の潜水艦が彼らを待っていた。その潜水艦こそは、戦争の形態を根本から変えてしまうという秘密兵器「ローレライ」を搭載していたドイツ軍のUボートだった。しかし、日本に到着する前、アメリカ軍の執拗な追撃のために「ローレライ」はやむなく日本近海に投棄されてしまっていた。折笠たちに与えられた極秘任務とは、それを回収することにあった。それを阻止せんとするアメリカ軍とのあいだで苛烈な戦闘が繰り広げられる。そして、その秘密兵器を日本の終戦工作に使おうとする陰謀が、密かに進行していた。

???著者は、彼らの生死をかけた生き様や心理描写を通して、国家や民族について、また、日本人とは何なのか、そしてあの戦争は何だったのかを、前作同様読者に問いかけ続ける。重いテーマを背負い込んでいる作品だが、読み手があまり負担に感じないのは、物語がエンターテイメント性を失わないからであろう。

???ここで描かれているのは過去の時代である。しかし問われていることは、いま日本という国に生きているわれわれ自身が直面している問題である。そういう意味で、この小説は「現代小説」といえるだろう。2003年度吉川英治文学新人賞受賞。(文月 達)



■読者の評価     おすすめ度平均

本気で凄い!       おすすめ度
まず、物語のスケールがとてつもなく凄い。
本を読み慣れている方でも読破するのには少々苦労するかもしれないが、これは絶対に読むべきだ。
物語の構成・話の進み方も読者に不満を与えることなく、実に気持ちよく心を捉えてくれる。
この作品が伝えてくれるのは、戦争は悪い事だとか、人の命は大切だとか、ありふれた言葉ではない。
もっと真っ直ぐで、強くあるべき心みたいなものだ。 読者の心に「大事なものは何か?」と直接訴えかけてくる。 私はこの作品に出会えた事を幸せに思う。


読むべき本       おすすめ度
生身の人間だが、艦の部品や「人間魚雷」としてしか扱われない―――それが戦争。

戦争を知らない私たちこそ読むべき本。
長いストーリーだが、ラストに近づけば近づくほど、どんどん引き込まれてゆく福井氏の文章力は凄い。
映画よりも本をお勧めする。


読んだ方がいい本       おすすめ度
死者は数字でしか表されない戦争という時代の中で、命の炎を懸命に燃やして生きる人たちの物語。

上巻全部が前置きぐらいの勢いで、下巻になってようやく全てがわかってくる。

ラストシーンは圧巻。文字なのに、ただの文字なのに、そこに広い海が広がり、人の声がこだまし、絶えることのない情熱と希望が全てを包む。とにかくラストシーンまで来たときの感動は並ではない。感情の昂りが止まらない。

長いけども、その長さを感じさせないぐらいグイグイ引き込まれました。
普段小説を読まない人にも、是非読んでもらいたい作品です。


良い本でした       おすすめ度
大きな挫折を味わったとき、厚くした信頼を裏切られたとき、
我々は時として、自らの生命や将来の持つ価値を見失ってしまいそうになる事があります。

伊507に乗り組んだ将兵は、ささやかな愛情も帰る所すらも持たない者達です。
よすが無く迷いだけを背負い、ただ生きている者達。
しかし彼らは最期に、自らの生涯についての結論を得ます。
唄を歌い、青空を見上げて美しいと想う豊かな心を再び自らのものとします。

悲しみと安堵の入り交じった熱い感動に、しばし現実を忘れました。
彼らと共に旅したこのわずかな時間は、思わずご紹介をしたくなる程の有意義なひとときでした。

この本はカヴァーのカットが実に美しいです。
装丁も絶品だと思います。

”万感の思いをのせて伊507は行く。この国の希望を我々に託して。”(文庫版第4巻帯文)


行間を楽みたいのにぃ       おすすめ度
長い作品の割りには、サクサクと言うか、飽きさせないで
読めると思います。
ただ、非常に視覚的というかビジュアル的というかぁ
読むと全てわかっちゃうんですよね・・・
なんてゆーか巧いんだけどなぁ・・・

「行間に面白味が無い」

って感じで。映像やコミック等と違って活字ってやっぱり
行間を楽しむってゆーのもあるって思うんですよね。
その点福井さんの文章は非常に解り易いのですが、その分雰囲気が
出ない・・みたいな感じがします

福井さんの作品は非常に涙を促しますし、感動もします・・・
がその後がものたりないんですよね・・・。

小説ってゆーよりもノベライス的なんですよね。差別するわけではないですが・・・
行間をも少し楽しめたらいーなって思いました。