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■読者の評価
おすすめ度平均
映画の力、魔法の力 おすすめ度
「クソみたいな現実が押し付ける結末を、物語の力でいともたやすく変えてやるのだ(P69)」
一つ目の話で語られるその言葉は、間違いなく作者である金城自身の決意の表れである。映画は観るものの心に力を与える魔法を持っている、という信念をもって描かれた、五つの物語を綴る短編集。
序盤の四編では、家族という最も近しい関係性の中で困難に置かれ、社会とのコミットメントを見失う主人公たちを通して、その魔法を証明するかのような力強い意思が表明されている。
一転、最後の物語「愛の泉」では楽観的な空気の中、大学生が『ローマの休日』のフィルム上映会を実現させようと奔走する青春ストーリーが展開され、金城作品らしい清々しさと、不意に笑みがこぼれてしまうような温かさをもった物語となっている。
そして、全ての物語が最終的に『ローマの休日』上映会で結ばれ、世界が悲しみだけで溢れているわけではないことを教えてくれる。
五つの物語を家族というもう一つの軸を用いながら同地平上で展開させ、物語の持つ力を巧みに描いた優しく力強い作品。
そしてこの本は僕らに穏やかな笑いと涙を与えてくれる。
一つ目の話で語られるその言葉は、間違いなく作者である金城自身の決意の表れである。映画は観るものの心に力を与える魔法を持っている、という信念をもって描かれた、五つの物語を綴る短編集。
序盤の四編では、家族という最も近しい関係性の中で困難に置かれ、社会とのコミットメントを見失う主人公たちを通して、その魔法を証明するかのような力強い意思が表明されている。
一転、最後の物語「愛の泉」では楽観的な空気の中、大学生が『ローマの休日』のフィルム上映会を実現させようと奔走する青春ストーリーが展開され、金城作品らしい清々しさと、不意に笑みがこぼれてしまうような温かさをもった物語となっている。
そして、全ての物語が最終的に『ローマの休日』上映会で結ばれ、世界が悲しみだけで溢れているわけではないことを教えてくれる。
五つの物語を家族というもう一つの軸を用いながら同地平上で展開させ、物語の持つ力を巧みに描いた優しく力強い作品。
そしてこの本は僕らに穏やかな笑いと涙を与えてくれる。
物語の力、金城さんの力 おすすめ度
金城さんのファンである僕は、ゾンビーズシリーズの新作がでなかったり、SPの最終章がだらだらだったりと、
不安な日々を送っていたりしたような気はそこまでなかったけれど、そんなときに出た今作。
映画は嫌いではなく好きな方なんだけれど、物語のタイトルになっている作品は1つほどしかみていなく、あまり読む気にもなれなかった。だから読み終わるのがこの時期になった。
でもやっぱりさすがだった。この人の小説はなぜだろう、もの凄く近くに”存在”を感じる。一つ一つのストーリーがリンクしているからなのかもしれないけれど、物語を読むと彼らと友達になったような気になってしまう・・・のは僕だけ?
『ヒルツ』の彼と、プロデューサーの彼の一途な優しさに涙でした。
そんでもって今作も対話篇から続くアレがあってよかった。
不安な日々を送っていたりしたような気はそこまでなかったけれど、そんなときに出た今作。
映画は嫌いではなく好きな方なんだけれど、物語のタイトルになっている作品は1つほどしかみていなく、あまり読む気にもなれなかった。だから読み終わるのがこの時期になった。
でもやっぱりさすがだった。この人の小説はなぜだろう、もの凄く近くに”存在”を感じる。一つ一つのストーリーがリンクしているからなのかもしれないけれど、物語を読むと彼らと友達になったような気になってしまう・・・のは僕だけ?
『ヒルツ』の彼と、プロデューサーの彼の一途な優しさに涙でした。
そんでもって今作も対話篇から続くアレがあってよかった。
一夏の一冊に おすすめ度
映画好きや、映画に憧れる人、映画を見た時の思い出等、5つのエピソードでまとめられた作品。どこの町かは明かされないが1つの区民会館とビデオレンタルショップが共通の舞台として描かれ僅かなオムニバス作品となっている。苦しく切ない話から心暖まる話まで幅広く一夏の一冊にちょうどいいかもしれない。
年配の人が共感してくれそう おすすめ度
「映画」には、作品としての良し悪しと共に、「この映画を観た時、こんなことがあった」という自身の思い出とセットにして記憶することで得られるものがあります。
「流行歌」にも似たような効果があり、その映画(歌)を再度観た際、「ああ、あの時は・・・」と蘇ってくるのです。
この作品は、まさに登場人物が「思い出の中の映画」を追体験する物語です。
映画に思い出を持っている人は共感できると思います。
特に映画館に行かないと映画を観ることができなかった年配の人が読むと共感するところが大きいんではないでしょうか?
金城作品の読者は若者が多いと思いますが、是非、お父さん、お母さんにプレゼントしてあげて欲しい作品です。
星を五つではなく、四つとしたのは、「金城さん、新しい方向に進もうとしているんではないか?」という感じがするから。
次の作品を読んでみると、評価をあげるかも・・・
「流行歌」にも似たような効果があり、その映画(歌)を再度観た際、「ああ、あの時は・・・」と蘇ってくるのです。
この作品は、まさに登場人物が「思い出の中の映画」を追体験する物語です。
映画に思い出を持っている人は共感できると思います。
特に映画館に行かないと映画を観ることができなかった年配の人が読むと共感するところが大きいんではないでしょうか?
金城作品の読者は若者が多いと思いますが、是非、お父さん、お母さんにプレゼントしてあげて欲しい作品です。
星を五つではなく、四つとしたのは、「金城さん、新しい方向に進もうとしているんではないか?」という感じがするから。
次の作品を読んでみると、評価をあげるかも・・・
湘南ダディは読みました。 おすすめ度
おしゃれなタイトルでおしゃれな構成の作品です。映画篇なのですが登場する5つのタイトルについて映画好きの薀蓄が語られる本ではありません。5篇の短編がそのタイトルあるいはその映画作品の内容にどこか遠くですこしずつ関係していて、5篇の登場人物たちはお互いには全く係わり合いはないのに、本人達も気がつかないままそれぞれの人生がわずかな時間交差するという構成になっています。
5篇の内容は、作者のやや自伝的な色彩の濃い「太陽がいっぱい」、連れ合いに自殺された女性がレンタルビデオショップの映画好き青年により立ち直る「ドラゴン怒りの鉄拳」、高校2年の男女子生徒が女子生徒の父親から金を奪って逃亡する「恋のためらい」、孤独な小学生がハーレーに乗った謎の中年女とすごす半日を描いたミステリー仕立ての「ペイルライダー」ですが、なんといっても良いのは最後の「愛の泉」です。最愛のおじいちゃんを亡くしてすっかり元気がなくなったおばあちゃんを1周忌に集まった孫達が、おばあちゃんがおじいちゃんとはじめて二人だけでみた思い出の「ローマの休日」を映画館のような広い場所でみせてやろうと頑張るお話です。優しい心根をもって登場する若者達がみな生き生きとしています。結局映画館を借り切ることは無理で、営業行為でなければよいという公民館で「ローマの休日」が上映されるのですが、実は前4篇の登場人物たちもそれぞれの物語の必然性のなかでこの公民館の観客になっているのです。
「愛の泉」を除けば短編小説としてはイマイチのような気がしますが、この構成のおシャレさはなかなかです。映画篇の篇の字を作者はあえて使っていますが、例えば人生には青春篇とか健康篇など様々な篇があるのですが、考えてみると確かに私の過ごしてきた時代の時間のなかでは映画というのは篇という字がつけられてもよいほど結構、ウェイトの大きな要因であったなという感傷がありました
5篇の内容は、作者のやや自伝的な色彩の濃い「太陽がいっぱい」、連れ合いに自殺された女性がレンタルビデオショップの映画好き青年により立ち直る「ドラゴン怒りの鉄拳」、高校2年の男女子生徒が女子生徒の父親から金を奪って逃亡する「恋のためらい」、孤独な小学生がハーレーに乗った謎の中年女とすごす半日を描いたミステリー仕立ての「ペイルライダー」ですが、なんといっても良いのは最後の「愛の泉」です。最愛のおじいちゃんを亡くしてすっかり元気がなくなったおばあちゃんを1周忌に集まった孫達が、おばあちゃんがおじいちゃんとはじめて二人だけでみた思い出の「ローマの休日」を映画館のような広い場所でみせてやろうと頑張るお話です。優しい心根をもって登場する若者達がみな生き生きとしています。結局映画館を借り切ることは無理で、営業行為でなければよいという公民館で「ローマの休日」が上映されるのですが、実は前4篇の登場人物たちもそれぞれの物語の必然性のなかでこの公民館の観客になっているのです。
「愛の泉」を除けば短編小説としてはイマイチのような気がしますが、この構成のおシャレさはなかなかです。映画篇の篇の字を作者はあえて使っていますが、例えば人生には青春篇とか健康篇など様々な篇があるのですが、考えてみると確かに私の過ごしてきた時代の時間のなかでは映画というのは篇という字がつけられてもよいほど結構、ウェイトの大きな要因であったなという感傷がありました

