第123回
(2000年上半期)
         花腐し
松浦 寿輝(著)   講談社 (2005/06 発行)
【定価】 490円
『花腐し』芥川賞受賞作。多国籍な街、新宿・大久保の片隅、夜雨に穿たれた男の内部の穴に顕現する茸と花のイメージ。少女の肉体の襞をめくり上げ見える世界の裏側。腐敗してゆく現代の生と性の感覚を鋭く描く「知」と「抒情」の競演。

第123回
(2000年上半期)
         きれぎれ
町田 康(著)   文藝春秋 (2004/04/07 発行)
【定価】 450円
「―― 大きい俺や小さい俺、青空に円形に展開、みな、くわっとした格好で中空に軽くわなないている ――」。親のすねをかじりながら無為の日々を送っていた「俺」はかつて、ともに芸術家を志し、その才能を軽視していた友人が画家として成功したことを知る。しかも、美貌と評判高い彼の妻は、「俺」が見合いをして断った女だという。よじれて歪んだ心が生むイメージが暴走した果てに「俺」が見たものは…。

第122回
(1999年下半期)
         夏の約束
藤野 千夜(著)   講談社 (2003/02 発行)
【定価】 470円
ゲイのカップルの会社員マルオと編集者ヒカル。ヒカルと幼なじみの売れない小説家菊江。男から女になったトランスセクシャルな美容師たま代……少しハズれた彼らの日常を温かい視線で描き、芥川賞を受賞した表題作。

第122回
(1999年下半期)
         蔭の棲みか
玄月(著)   文藝春秋 (2003/01 発行)
【定価】 530円
大阪市東部の下町にある、迷路のような集落。そこに隠棲するソバン老の右手首は、戦争で吹き飛ばされた。朝鮮人の元軍人が補償を求めて提訴したという新聞記事が、彼の過去を蘇らせ、集落に事件を呼ぶことに…。

第121回
(1999年上半期)
        
該当作品なし

第120回
(1998年下半期)
         日蝕
平野 啓一郎(著)   新潮社 (1998/10 発行)
【定価】 1,365円
現代が喪失した「聖性」に文学はどこまで肉薄できるのか。舞台は異端信仰の嵐が吹き荒れる十五世紀末フランス。賢者の石の創生を目指す錬金術師との出会いが、神学僧を異界に導く。洞窟に潜む両性具有者、魔女焚刑の只中に生じた秘蹟、めくるめく霊肉一致の瞬間。華麗な文体と壮大な文学的探求で「三島由紀夫の再来」と評され、芥川賞を史上最年少で獲得した記念碑的デビュー作品。

第119回
(1998年上半期)
         ブエノスアイレス午前零時
藤沢 周(著)   河出書房新社 (1998/08 発行)
【定価】 1,050円
場末の温泉旅館のダンスホール。老嬢と青年の孤独なタンゴに、幻滅とパッション、リリシズムと幻想が交錯する胸うつ名作。

第119回
(1998年上半期)
         ゲルマニウムの夜
花村 萬月(著)   文藝春秋 (1998/09 発行)
【定価】 1,300円
人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国―世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。

第118回
(1997年下半期)
        
該当作品なし

第117回
(1997年上半期)
         水滴
目取真 俊(著)   文藝春秋 (1997/09 発行)
【定価】 1,050円
徳正の右足が突然冬瓜のように膨れ始め、親指の先から水が噴き出したのは六月半ばだった。それから夜毎、徳正のベッドを男たちの亡霊が訪れ、滴る水に口をつける。五十年前の沖縄戦で、壕に置き去りにされた兵士たちだった…。沖縄の風土から生まれた芥川賞受賞作。

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